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谷文晁(1763-1841)は,江戸南画界の中心的人物。田安徳川家に仕え,同家から出た老中・松平定信に認められた。江戸湾防備の必要を感じた定信が相模伊豆の海浜を巡見した折,随従した文晁が各地の風景や旧跡を描きとどめたのがこの図巻である。西洋画法を取り入れた描写に文晁の真面目が発揮されている。