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もともとは顕教の菩薩だが,五仏宝冠をつけた本図は福徳を祈る密教の虚空蔵法(福徳法)の本尊として描かれたものと言われる。着衣,台座,岩山や海に用いられる渋い色調と月輪,光背,天蓋や岩座に多用される銀泥・銀截金のために,一種独特の幽玄な趣を示す。月輪下の岩座を除き,図像的には不空訳『大虚空蔵念誦法』に依拠する。