このページの本文へ移動

1089ブログ

特別展「名作誕生-つながる日本美術」開幕!

名作しかない! そんな展覧会が開幕しました!
創刊記念『國華』130周年・朝日新聞140周年 特別展「名作誕生-つながる日本美術」(2018年4月13日(金)~5月27日(日))です。




日本を代表する「名作」はどのように生まれたのでしょうか。稀代の「天才」と呼ばれる作家があらわれて、魔法のように創り出したような印象がありますが、実際はそうではなかったようです。
本展では、作品同士がどのように関係し合い、名作がどんな背景をもって生まれたのか、実際の作品を通してご紹介します。



第1章「祈りをつなぐ」の展示室
手前:重要文化財 伝衆宝王菩薩立像[しゅうほうおうぼさつりゅうぞう] 奈良時代・8世紀 奈良・唐招提寺蔵



さて、『國華』という雑誌をご存じでしょうか?(私はトーハクに入って初めて知りました。)
明治22年(1889)に岡倉天心らによって創刊され、現在も刊行を続けている、世界最古の美術雑誌です。



『國華』創刊号~3号 明治22年(1889)も、会場で展示しています。



『國華』創刊から130周年を記念した展覧会ということで、『國華』編輯委員とトーハク研究員の威信をかけたドリームプランが(ほぼ)実現しました!

それでは、会期前半(前期:~5月6日(日))のみどころをご紹介します。


(1)「普賢菩薩騎象像」越しの「普賢菩薩像」


手前:国宝 普賢菩薩騎象像[ふげんぼさつきぞうぞう] 平安時代・12世紀 東京・大倉集古館蔵
奥:国宝 普賢菩薩像[ふげんぼさつぞう] 平安時代・12世紀 東京国立博物館蔵(展示期間:~5月6日(日))


瀬谷研究員(本展ワーキングチーフ)が、「この展示が叶うなんて、奇跡!」とまで言っていた展示です。詳しくは、瀬谷研究員のブログ(近日公開)をお楽しみに!


(2)「流書手鑑[りゅうがきてかがみ]」からの「倣玉㵎山水図[ほうぎょくかんさんすいず]」

 
左:流書手鑑(模本)[原本]雪舟等楊筆、狩野常信模 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵
(展示期間:~5月6日(日))

右:重要文化財 倣玉㵎山水図 雪舟等楊筆 室町時代・15世紀 岡山県立美術館蔵
(展示期間:~5月6日(日))


雪舟は、山水や人物を、玉㵎、夏珪[かけい]などの南宋時代の著名画家のスタイルに倣って描き分けたそう。そのことを、「流書手鑑(模本)」によって知ることができます。
ぜひじっくりと手鑑をご覧になったうえで、後ろ側の壁の「倣玉㵎山水図」を見てみてください。画聖と謳われるその理由が伝わってきます。


(3)さすが宗達、抜群のセンスの良さ


扇面貼交屛風[せんめんはりまぜびょうぶ] 伝俵屋宗達筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵
(1双揃いの展示期間:~5月13日(日))


古画に描かれた人物などをそのまま切り抜いて再配置する、「コラージュ」を駆使した作品。
その元ネタとなる作品も一緒にご覧いただくと、「宗達ってやっぱりセンス良いわ!」をより実感できます。


(4)みんな大好き、若冲


右:重要文化財 仙人掌群鶏図襖[さぼてんぐんけいずふすま] 伊藤若冲筆 江戸時代・18世紀 大阪・西福寺蔵
左:鶏図押絵貼屛風[にわとりずおしえばりびょうぶ] 伊藤若冲筆 江戸時代・18世紀 京都・細見美術館蔵
(右隻の展示期間:~5月6日(日))


不動の人気を誇る若冲。でも人気が出過ぎると、なんだか引いちゃう。そんなあまのじゃくなあなたでも、きっと作品を前にするとテンションが上がるはずです。
「鶏図押絵貼屛風」の右隻は前期のみ、左隻は後期(5月8日(火)~)に展示されます。


(5)名作は、何度見ても良いもの


国宝 松林図屛風 長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館蔵
(展示期間:~5月6日(日))


お正月の「博物館に初もうで」でも見られるでしょう? トーハク通の方なら、そう仰るかもしれません。
でも、好きな人には何度でも会いたくなりますよね? 会うたびに、好きになる。そんな作品です。


この他にも、ご紹介しきれない名作がたくさんあります!
会期中展示替えがありますので、お目当ての作品はどうぞお見逃しなく!
詳しくは展示作品リスト をご参照ください。

カテゴリ:絵画2018年度の特別展

| 記事URL |

posted by 小島佳(広報室) at 2018年04月20日 (金)

 

1