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独占取材!兵馬俑展ができるまで!(事前調査編)

大好評開催中の特別展「始皇帝と大兵馬俑」
会期も残すところ、半分!

今回は、「兵馬俑展ができるまで!(事前調査編)」と題し、
2015年1月下旬に中国・陝西省で行われた事前調査を中心に、
特別展開催にあたって研究員がどんな仕事をしているのか、その一部をご紹介します。

 展示の前に行われる様々な調査や作業。裏側を知れば、さらに展覧会が面白くなるはずだほ!

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さて、ここからは調査隊員の日誌から、その様子をみていきますが、
その前に。

事前調査隊の隊長をご紹介しましょう。
特別展開催にあたっては、館内で部署をまたいだW・G(ワーキンググループ)が組織されます。
兵馬俑展のW・Gチーフを務めたのが、当ブログではおなじみのこの方、川村佳男主任研究員です。


事前調査隊の川村佳男隊長。専門は東洋考古です。

では、川村隊長がゆく!兵馬俑展事前調査の旅。
はじまりはじまり。
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1月×日 1日目
朝9時にホテルを出発です。商洛(しょうらく)博物館から調査をスタート。出品予定の作品について撮影、点検、採寸を実施します。


採寸はこのような器具で行います。お借りする大切な文化財をいためることのないよう、適切な展示方法の検討のために重要な調査です



1月◇日 2日目
秦始皇帝陵博物院へ。いよいよ兵馬俑と対面。隊長も気合十分。ご覧のとおり、スーツにネクタイを着用。・・・調査なのに・・・なぜスーツ?
それは、途中から出品作品リストの最終交渉に向かうため。


「素晴らしい作品をお借りできるよう、しっかりと交渉してきます!」



1月■日 3日目
昨日の交渉で驚くべき成果がありました。「貴重な兵馬俑を追加で出品いただけそうです」。一同、大拍手。
ただ、外は雪景色。この日の調査は極寒の状況下。さらに、雪の影響で高速道路が封鎖。翌日の予定は断念せざるをえなく…。隊長は突然の計画変更で段取りに大忙し。


一面の雪景色に心なしか不安な面持ちの隊長


雪に負けてたまるか! スタミナをつけるため、生ニンニクをかじります



1月△日 4日目
天候回復! 本日のミッションは、昨日東京の本部から指示があった「封泥の調査」。
西安中国書法藝術博物館での展示を見学。


現地の様子を来館者目線で確認し、展示のイメージを膨らませます



○月◎日 5日目
再び秦始皇帝陵博物院へ。2日目には時間の都合上訪れることができなかった、博物院隣の始皇帝陵や、兵馬俑坑を見学。


兵馬俑がずらりと並ぶ姿はやはり圧巻! 展覧会会場でこのスケール感をどう表現するか、隊長の知恵の絞りどころ。



○月☆日 6日目
西安から飛行機で北京へ。北京大学サックラー考古芸術博物館で、最新の発掘成果展を視察。偶然にも展覧会を企画した北京大学の教授と会場でお会いすることができました。


「西戎(せいじゅう)」と秦との関わりは今回の特別展でも重要なポイントの一つ

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 どうだったかな? トーハクくん!

 わ、タイチョー!

 特別展開催までには長い準備期間が必要。今回も約2年間をかけて様々な準備を行ってきたんだよ。

 ほー!展示にはタイチョーの思いが詰まっているんだほ!よーし!もう一回みにいってくるほー!


綿密な事前調査のもとでつくられる特別展「始皇帝と大兵馬俑」
年内は12月23日まで、年末年始のお休みを挟み、2016年は1月2日から2月21日まで開催です。
ニンニクをかじって頑張った川村隊長や他の隊員たちの汗と涙の結晶を、お見逃しのないよう、ぜひ足をお運びください!
 

カテゴリ:2015年度の特別展トーハクくん&ユリノキちゃん

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posted by トーハクくん at 2015年12月18日 (金)