このページの本文へ移動

1089ブログ

トーハクに「白菜」がやってくる!


「『トーハクに白菜がやってくる』? あら、ブランド野菜の販売かしら? でも・・・お高いんでしょう?」

奥さん、違います。
この白菜は、世界にひとつしかない白菜なのです。
台北の國立故宮博物院が誇る”神品”「翠玉白菜(すいぎょくはくさい)」がトーハクにやってくるのです。


 
今年6月、トーハクでは特別展「台北 國立故宮博物院―神品至宝―」(2014年6月24日(火)~9月15日(月・祝)、平成館)を開催します。
これに先立って2014年1月29日(水)、平成館大講堂で報道発表会が行われました。

発表会では、まず主催者を代表して、銭谷眞美 東京国立博物館長と、三輪嘉六 九州国立博物館長がご挨拶申し上げました。
また、本展覧会担当の富田淳列品管理課長より展覧会の構成と見どころの解説を行いました。


富田淳 列品管理課長

東京と九州の2会場で行われる本展は、中国歴代にわたるひときわ優れた文化財を多数収蔵する台北 國立故宮博物院の収蔵品から特に代表的な作品を厳選し、中国文化の特質やすばらしさを広くご紹介するものです。
台北 故宮の展覧会はこれまでアメリカ、フランス、オーストリア、ドイツでしか開かれたことがありません。
今回の展覧会は日本、そしてアジアでも初。
これまで台北に行かなければ見ることのできなかった中国歴代皇帝のコレクションを日本で見られる貴重な機会となります。

さらに!
今回は過去の海外展では出品されたことがない、故宮を代表するスーパースターのトップ2が、各2週間限定で来日!
それが冒頭でご紹介した「白菜」こと”翠玉白菜”、そして”肉形石”(九州のみ)です。
どちらも台北故宮を代表する作品であり、来訪者必見の人気者だけに、交渉は難航し出品が決まったのは最後の最後。
まさに奇跡の出品!見逃せません!

素材の美と至高の技が織りなす究極の神品

翠玉白菜(すいぎょくはくさい) 清時代・18~19世紀 
展示期間:6月24日(火)~7月7日(月)/東京のみ 台北 國立故宮博物院蔵
1つの翡翠(ひすい)の色の違いを利用して、巧みに掘り出されています。
宝飾品用としては劣る色の翡翠をあえて利用して表現された白菜は、石から彫られたとは思えないほどのみずみずしさ。
葉っぱにとまったイナゴとキリギリスにも注目!


目でいただく最高のご馳走

肉形石(にくがたいし) 清時代・18~19世紀 
展示期間:10月7日(火)~10月20日(月)/九州のみ台北 國立故宮博物院蔵
バラ肉の赤身と脂身の層が、瑪瑙(めのう)の材のもつ赤と白の縞目をうまく活かして表現されています。
石から彫りだされたものにもかかわらず、とろけそうにやわらかく見える不思議。
瑪瑙ならではの染色技法で表現された角煮の皮の照りは、もう、たまりません。



「じゃあ、見どころは『白菜』と『肉』。 これを外さなければOK?」

奥さん、とんでもない!!
今回、台北からやってくる名宝はこれだけではありません。
中国歴代皇帝のコレクションである故宮コレクションから、さらに厳選された珠玉の作品の数々が出品されます。
当館の研究員による粘り強い交渉と台北 故宮の特別の配慮によって、本展は名品中の名品揃いとなっているのです!
その一部についても富田さんから紹介がありました。


北宋の皇帝・徽宗も愛した青磁

青磁輪花碗(せいじりんかわん) 汝窯(じょよう)
北宋時代・11~12世紀 台北 國立故宮博物院蔵



宇宙を表現した崇高な山水

雲横秀嶺図軸(うんおうしゅれいずじく) 
高克恭(こうこくきょう)筆 元時代・13~14世紀 

展示期間: 6月24日(火)~8月3日(日)/東京のみ) 台北 國立故宮博物院蔵


シルクの国・中国の、幸せを願う刺繍画

刺繍九羊啓泰図(ししゅうきゅうようけいたいず) 
元時代・13世紀
東京のみ) 台北 國立故宮博物院蔵


蘇軾の奥深さ、凄まじさが横溢(おういつ)する傑作中の傑作

行書黄州寒食詩巻(ぎょうしょこうしゅうかんしょくしかん) 
蘇軾(そしょく)筆 北宋時代・11世紀 

展示期間: 8月5日(火)~9月15日(月・祝)/東京のみ) 台北 國立故宮博物院蔵


美の極み、乾隆粉彩の回転瓶


藍地描金粉彩游魚文回転瓶(あいじびょうきんふんさいゆうぎょもんかいてんへい) 
景徳鎮窯 清時代・18世紀 台北 國立故宮博物院蔵



「皇帝の玩具箱」とも呼ばれています

紫檀多宝格方匣(したんたほうかくほうこう)
清時代・17~18世紀 台北 國立故宮博物院蔵



次世代アイドル!「白菜」「肉」につづく故宮の人気者

人と熊
清時代・18~19世紀 台北 國立故宮博物院蔵


なんと豪華なラインナップ!
東京・九州の両国立博物館の研究員が厳選した231件(東京186件、九州110件)。
是非東京と九州の国立博物館をハシゴして、その全てをご覧いただきたいと思います。


また、発表会後半では、台北 國立故宮博物院 馮明珠院長のビデオメッセージ放映と一青窈さんの展覧会サポーター就任発表が行われました。


國立故宮博物院 馮明珠院長のビデオメッセージ

本展の出品作品の紹介やご尽力をいただいた関係各所への謝辞をいただきました。



展覧会サポーター・一青窈さん(写真右)
「縁のあるお仕事をいただき光栄です。一生懸命サポートします。」
サポーターとしての意気込みとご自身のお気に入りの作品などについて語ってくださいました。



さっそく銭谷東博館長、三輪九博館長と一緒に本展をPR!

女優としても活躍されている歌手・一青窈さんはお父様が台湾ご出身。
台湾、そして台北 故宮にも足繁く通われており、今後本展のサポーターとしてPR活動等にご協力をいただくことになっています。



世界の広範な地域にわたる数々の展覧会を開催してきたトーハクが、これまで実現できなかったのが、台北 國立故宮博物院の展覧会。本展はトーハクはもとより、歴史や文化に関心を持つ人々にとっての長年の「夢」ともいえます。
ついに実現した「夢の展覧会」!
奥さんにも、いえ皆様にも是非、この記念すべき展覧会の目撃者となっていただければ幸いです!!


最後に、「次世代アイドル」を別アングルで。

人と熊(部分)
清時代・18~19世紀 台北 國立故宮博物院蔵

富田さんは「チョコレートを作ってグッズ展開を。」と語っていましたが、果たしてその夢は実現なるか?


『みんな会いに来てね。』   『来てね~。』

 

カテゴリ:news

| 記事URL |

posted by 田村淳朗(広報室) at 2014年02月02日 (日)