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トーハクくんがゆく!「国宝 大神社展」 其の二

いざ「国宝 大神社展」へ!

ほほーい!ぼくトーハクくん!
今日は池田上席研究員に「国宝 大神社展」を解説してもらうほ。
池田さん、よろしくお願いしますほ。


池田さん

池田研究員よろしくお願いします。ではさっそく展示を見ていきましょう。


トーハクくん
装束に手箱、本当にきれいな宝物がならんでいるほ~!


池田研究員そうだね、きらびやかだね。たくさんの「古神宝」が展示されていますね。


トーハクくんコシンポー?そりゃなんだほ?


池田研究員ではまず、「神宝」とは何かをご説明しましょう。
神社には、神が祀ってありますよね。そこで、神々(祭神)がお使いになるものとして、特別に作られた装束や調度品、武具などがそろえられました。
これが「神宝」です。


表着
国宝 表着 萌黄地小葵浮線綾模様二陪織物(うわぎ もえぎじこあおいふせんりょうもようふたえおりもの)
南北朝時代・14世紀 和歌山・熊野速玉大社蔵(5月6日(月・休)まで展示)


トーハクくんほうほう。ってことは、「古神宝」は『古い神宝』ってことだ!
どうりで古い時代のものばかりだほ。


池田研究員いやいや、単に「古い」という意味じゃないんです。
今年は伊勢神宮で式年遷宮が行われますね。
こんな風に、社殿や神宝が一定の期間を経て古くなると、それまでと同様の社殿や神宝を新たに製作する「式年造替」が行われる神社があります。
その際、前に納められていた神宝は取り下げられます。この取り下げた神宝を「古神宝」といいます。

トーハクくんそうか!お役目を終えた神宝のことなんだね!


池田研究員そのとおりです。
古神宝は祭神が使われたものですので、神聖なものとされ、その清浄さを保つために、人目に触れないように焼却あるいは埋納されてきました。
ただ神社によっては再度社殿に納められたり、宝庫などに伝えられてきたのです。

トーハクくんそんな貴重なものがトーハクで一気に見られるなんてすごいほ!


池田研究員そうなんです。
装束の織文や漆工の文様などをじっくり見てみてください。平安から室町時代の日本の典型的な意匠や美意識がよくわかります。


手箱
国宝 橘蒔絵手箱(たちばなまきえてばこ)
南北朝時代・明徳元年(1390)     和歌山・熊野速玉大社蔵(5月6日(月・休)まで展示)

トーハクくんほぉ~。模様が細かくて色もきれいで、ぼくが見てもかっこいいなと思うデザインだほ。


池田研究員そうですよね。武具の文様もとても美しく、見ていて惚れ惚れします。
神宝はね、その時代の染織・漆工・金工など最高の工芸技術を使って製作されたんですよ。だって、祭神がお使いになるものですからね。
人の目に触れないとしても、祭神のために技術の限りを尽くしてつくられた神宝。それを見ると、当時の人々の謙虚な思いが伝わってきますね。

トーハクくん神さまのために一生懸命つくった気持ちが、ぼくのハートに響いてくるほ!ぐっと来るほ!


池田研究員現在は春日大社と熊野速玉大社の古神宝で、5月6日(月・休)まで展示します。
5月8日(水)からは厳島神社、鶴岡八幡宮、熱田神宮の古神宝に展示替えになりますよ。

トーハクくんうほー、すごいところから集まってくるね!後期も見逃せないほ!
池田さん、どうも有難うございました!

池田研究員とトーハクくん
国宝 桐文蒔絵平胡簶(きりもんまきえのひらやなぐい)・金銅鏑矢(こんどうかぶらや)・金銅矢、
国宝 朱漆弓(しゅうるしのゆみ)
南北朝時代・明徳元年(1390) いずれも和歌山・熊野速玉大社蔵(5月6日(月・休)まで展示)の前にて。

池田宏上席研究員と、トーハクくん(本名:東博・あずまひろし)。ダブルひろしでお送りしました。

 

カテゴリ:研究員のイチオシnews2013年度の特別展

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posted by トーハクくん at 2013年04月26日 (金)