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「出雲―聖地の至宝―」展より、尼子氏ゆかりの甲冑と刀剣

特別展「出雲―聖地の至宝―」(2012年10月10日(水)~11月25日(日))、2章「島根の至宝」の作品のなかから、
戦国時代の出雲の大名、尼子氏ゆかりの甲冑や太刀についてご紹介いたします。

No.37の色々糸威胴丸は、16世紀の初め、出雲を拠点に中国地方11カ国に領土を拡大した尼子経久(あまごつねひさ)が
佐太神社に奉納したと伝えられています。
紅糸を中心に、青や白の糸で威した華やかな甲冑です。

色々糸威胴丸
重要文化財 色々糸威胴丸(いろいろいとおどしのどうまる)
室町時代・16世紀
島根県・佐太神社蔵


兜の前立には、中央に「天照皇大神宮」、鍬形には「八幡大菩薩」「春日大明神」の神号が切透かされて、
当時の武将の信仰の一端がうかがえます。

色々糸威胴丸


No.26の兵庫鎖太刀は、鎌倉時代に武家に好まれた拵の1つで、この太刀も鎌倉時代の作品です。

兵庫鎖太刀
重要文化財 兵庫鎖太刀(ひょうごくさりのたち)
鎌倉時代・13~14世紀
島根・須佐神蔵社(11月4日(日)まで展示)


太刀を腰に下げる帯取に、針金の輪を2つに折って繋げた兵庫鎖を用いています。

 兵庫鎖太刀

拵を納めた箱には、尼子経久の孫の晴久が、天文21年(1552)に須佐神社に奉納したことが記されています。
なお、島根県立古代出雲歴史博物館では、10月26日(金)から12月24日(月・祝)まで企画展「戦国大名 尼子氏の興亡」が開催されます。
出雲へお出かけの方は、是非ご覧ください。

カテゴリ:研究員のイチオシ2012年度の特別展

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posted by 池田宏(上席研究員) at 2012年10月18日 (木)