このページの本文へ移動

1089ブログ

本館で楽しむ密教美術

「空海と密教美術」展も10万人の入場者をお迎えし、ますます盛り上がってまいりました。

しかし、特別展観覧後は、総合文化展をご覧にならずに帰られてしまうお客様も多いようです。
本館の総合文化展では、特別展の会期に合わせ、関連作品を展示しているのはご存知でしょうか?

そこで、「空海と密教美術」展の観覧後、さらに密教美術をお楽しみいただくためのコースをご提案します。

題して、 「空海と密教美術展」とあわせて観たい!おすすめ作品コース!
 

まずは本館2階「日本美術の流れ」へどうぞ。

国宝室では、「国宝 宝簡集(ほうかんしゅう) 巻第二」(平安~南北朝時代・12~14世紀 和歌山・金剛峯寺蔵)が8月21日(日)まで展示されています。
特別展会場では、高野山の寺領に関する巻(巻第七、巻第二十五は8月21日(日)まで、巻二十六は8月23日(日)から展示)を紹介していますが、こちらの巻第二は源頼朝の書状、後鳥羽上皇・高倉上皇院宣(いんぜん)、など、鎌倉時代から南北朝時代にかけて幕府や朝廷といった公武の権力者が高野山に対して出した文書をご覧いただけます。時の権力者の高野山に対する尊崇がうかがえます。

国宝室では贅沢な展示空間をお楽しみください。

第3室 「仏教の美術―平安~室町」 では、愛染明王像(あいぜんみょうおうぞう)や両界曼荼羅図(りょうかいまんだら)が展示されています。
愛染明王は、特別展には出品されていませんが、平安時代、空海らが唐から持ち帰ったのちに信仰が盛んになり、彫像や画像も多数制作されました。
またこちらでは、密教法具「金銅八仏種子五鈷鈴(こんどうはちぶつしゅしごこれい)」もご覧いただけます。特別展で展示されている五鈷鈴(ごこれい)などとは趣の違う、繊細な作風です。

ここで、1階のジャンル別展示へ移動します。

大階段を降りたら左手の11室(彫刻)に入りましょう。
こちらには「不動明王立像」(平安時代・11世紀)が展示されています。空海が中国から伝えたものとは異なるすがたの不動明王です。
8月23日(火)からは、11室でも五大明王像(平安時代・11~12世紀 山梨・桑戸区蔵)が展示されます。特別展会場の京都・醍醐寺蔵の不動明王を含む五大明王像(平安時代・10世紀)と見比べるのも楽しいでしょう。
なお、空海が伝えたスタイルの不動明王と、11室の不動明王立像との違いについては当ブログ記事「不動明王の隠れたおしゃれ」をご参照ください。

最後は14室の特集陳列「運慶とその周辺の仏像」(10月2日(日)まで)です。
こちらには、密教の宇宙を現すといわれる曼荼羅の中心に描かれ、密教ではいちばん重要な仏である大日如来が展示されています。運慶作の可能性が高い栃木・光得寺蔵と東京・真如苑蔵の2体の大日如来坐像をご覧ください。

本館14室の展示風景

いかがですか?
特別展だけではもったいない、新しい楽しみ方が見つかるのではないでしょうか。

おすすめコースのページは右上の「このコースを印刷する」ボタンで簡単に印刷できます。
ぜひ、来館時にお持ちいただき、特別展会場と見比べてお楽しみいただければ幸いです。

カテゴリ:ウェブおすすめコンテンツ2011年度の特別展

| 記事URL |

posted by 広報室Web担当 at 2011年08月08日 (月)

 

1