このページの本文へ移動

1089ブログ

等伯の松林であそぶ? それとも光琳のつるとあそぶ?

夏休み恒例の親と子のギャラリーでは、トーハク所蔵の国宝のなかでも人気ナンバー1の長谷川等伯筆「松林図屏風」とアメリカ・フリーア美術館所蔵の尾形光琳筆「群鶴図屏風」の高精細複製に、ダイナミックな映像をプラスした体験型の展示を企画しています。



「松林図屏風」(綴プロジェクトによる高精細複製品)
原本=長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀
原本、複製品とも東京国立博物館蔵



群鶴図屏風高精細複製
「群鶴図屏風」(綴プロジェクトによる高精細複製品)
原本=尾形光琳筆 江戸時代・17~18世紀
複製品=東京都美術館蔵
Facsimiles of works in the collection of the Freer Gallery of Art, Smithonian Institution, Washington, DC:Purchase, F1956.20, F1956.21



ここでひとつ質問です。
みなさんにとって、絵画を見る楽しみってなんですか?
美しい風景を眺めてそこに行った気分になれる、とか
かわいいものを見つけて、ほのぼの幸せになれる、とか
絵に込められた祈りに触れて、敬虔な気持ちになる、とか。

絵によって、また見る人にとって、その喜びはいろいろですが、いずれにしても、自分の目で見て、想像したり、感じたりすることが楽しいのではないでしょうか。
トーハクにはたくさんの絵画作品がありますが、ご存じのとおり古いものばかりです。時代を経たもの、伝統的なものの前に立つと、なぜか緊張してしまって、自分なりに自由に見たり、感じたりすることができなくなっていることがありませんか?
いわゆる「敷居が高い」という感覚です。

そこで、考えたのがこの企画。目的は、皆さんの前にある決して低くない敷居をすべてとっぱらうことです。
 


第1会場は「松林であそぶ」
くつを脱いで畳の広間にすわって、のんびり松林図を眺めましょう。もちろんガラスケースなしで。
等伯が描いた松林のその向こうにはどんな風景が広がっていたのか?
松林では何が起こっていたのか?
みなさんの想像力を刺激する映像が、松林図屏風を見る楽しみを広げることでしょう。
 
特別5室会場イメージ
会場には高さ約5メートル、直径約15メートルの半円形のスクリーンを設置。
ダイナミックな映像をお楽しみいただきます。

 


第2会場は「つるとあそぶ」
びょうぶに描かれた鶴たちは、どこから飛んできてどこへ行くの?
子どもたちの動きにあわせて鶴が動くインタラクティブな演出も交えて、まさに、絵の中の鶴とあそんでみてください。
 


このほか、触って楽しむハンズオンコーナーなども企画しています。
詳細は追って、このブログで少しずつ紹介していきます。
この夏はぜひ、お子さんと一緒に、トーハクであたらしいアート体験を楽しんでください。

 
親と子のギャラリー びょうぶとあそぶ 高精細複製によるあたらしい日本美術体験
本館 特別4室・特別5室   2017年7月4日(火) ~ 2017年9月3日(日)

 

 

カテゴリ:研究員のイチオシ教育普及特集・特別公開

| 記事URL |

posted by 小林 牧(博物館教育課長) at 2017年05月26日 (金)

 

1