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東京国立博物館コレクションの保存と修理

  • 『深鉢形土器(修理前) 千葉県銚子市余山町 余山貝塚出土 縄文時代(後期)・前2000~前1000年 破片を接合し、欠失部をセメントや石膏で補修していました。』の画像

    深鉢形土器(修理前) 千葉県銚子市余山町 余山貝塚出土 縄文時代(後期)・前2000~前1000年
    破片を接合し、欠失部をセメントや石膏で補修していました。

    本館 特別2室
    2011年2月15日(火) ~ 2011年3月13日(日)

     この特集陳列は、東京国立博物館所蔵作品の保存と修理に関する、当館の活動の一端を具体的に紹介するもので す。展示は平成12年度から始まり、今年で11回目を迎えました。今回は、主に平成21年度に実施した修理作品のうち、絵画・書跡・工芸・考古・歴史・館 史資料といったさまざまな分野から、技法や形態の点に特徴的な修理内容をもつ作品20件を選び、写真パネルや解説を添えて展示します。

      博物館の使命は文化財の公開、そして未来に受け渡す恒久的な保存です。そのためには、展示室や収蔵庫の展示保存環境の整備はもとより、輸送や取り扱い方 法の改善、安定した状態に復するための応急修理や本格修理の実施、さらに作品に使用された材料や技術の解明など沢山の課題があります。私たちは、文化財の 公開と保存は次世代に伝えるために必要な両輪だと考え、日々その両立の実現に取り組んでいます。

      本特集陳列を通じて、文化財の保存と修理に関する博物館の取り組み、そして修理内容に対する関心と理解を一層深めていただくことを期待します。

    平成21年度の本格修理に携わった機関等は以下の通りです。

    飛鳥工房、(株)岡墨光堂、小野博、(株)桂文化財修理工房、(株)京都科学、K染織修復研究所、(株)光影堂、(有)楽浪文化財修理所、(株)松鶴 堂、(株)修美、清申堂、(株)染技連、(有)東京修復保存センター、陶磁器修復たま工房、(株)東都文化財保存研究所、独立行政法人国立文化財機構奈良 文化財研究所、(株)半田九清堂、文化財修復工房明舎、(株)文化財保存、(株)文化財ユニオン、(株)墨仁堂、ますぶち工房、繭山隆司、(有)武蔵野文 化財修復研究所、(株)目白漆芸文化財研究所、山下好彦、(有)山領絵画修復工房
    東京国立博物館保存修復課アソシエイトフェロー 鈴木晴彦、米倉乙世、沖本明子
    (敬称略、五十音順)

     

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
両界曼荼羅図 胎蔵界曼荼羅 鎌倉時代・14世紀
鬼人像頭部 中国・クムトラ石窟 唐時代・7~8世紀
楼閣人物螺鈿料紙硯箱 中国 明時代・16~17世紀 広田松繁寄贈
千手観音菩薩坐像 南北朝時代・14世紀
白磁刻花文鉢 中国 北宋時代・11世紀
関連事業
見学ツアー 「石造彫刻の修理現場へ行こう」
東京国立博物館 本館特別2室・石造彫刻修理所
2011年2月24日(木) 13:30~15:40 
見学ツアー 「保存と修理の現場へ行こう」
東京国立博物館 修理室・X線調査室等
2011年3月10日(木) 13:30~16:10 

2011年3月11日(金) 13:30~16:10 
列品解説「考古資料の保存と修理」
本館特別2室 2011年3月8日(火) 14:00~14:30 当日参加
講師:保存修復室主任研究員 日高慎