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中国の漆器-わざとデザイン

  • 『松竹梅填漆合子 「大明宣徳年製」銘 中国 明時代・宣徳年間(1426~35) 』の画像

    松竹梅填漆合子 「大明宣徳年製」銘 中国 明時代・宣徳年間(1426~35)

    本館 14室
    2010年10月5日(火) ~ 2010年11月28日(日)

      漆(うるし)の樹液(じゅえき)を器物に塗り、装飾を加えた工芸を漆工(しっこう)といいます。古くから日本はもとより、中国・朝鮮半島・東南アジアな ど、さまざまな土地で漆工が行われ、漆器が使われてきました。同じ漆を用いていても、地域や民族ごとに独特の技法や表現が工夫されてきました。漆工は多様 なアジアを象徴する工芸といえます。

       この特集陳列では、中国の漆工を紹介します。中国の漆工には赤・黒・黄・緑などの色漆(いろうるし)を厚く塗りかさね、文様を彫刻する彫漆(ちょうし つ)、貝片(かいへん)を組み合わせて文様を表わす螺鈿(らでん)、小刀で線彫りした溝に金箔(きんぱく)を付着させ文様を表わす鎗金(そうきん)、漆地 を彫り、色漆を嵌め込み文様をあらわす存星(ぞんせい)などの技法があります。これらの技法を駆使し、皇帝のシンボルである五爪(ごそう)の龍、唐草文 (からくさもん)をうずまき状に表現する屈輪(ぐり)、花鳥や人物や宮殿など、多彩な文様があらわされました。その一方で、文様を施さずに器の形を楽しむ 無文漆器(むもんしっき)もあります。中国漆工のバラエティーあふれる魅力をご堪能ください。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
龍彫彩漆盆 「大明萬暦乙未年製」銘 中国 明時代・万暦23年(1595)
楼閣人物堆黒盆 中国 南宋時代・12~13世紀
屈輪長方形盆 中国 南宋時代・13世紀 個人蔵
松竹梅填漆合子 「大明宣徳年製」銘 中国 明時代・宣徳年間(1426~35)