このページの本文へ移動

打ち鳴らして音を出す仏具―梵音具―

  • 『国宝 金銅蓮華唐草文磬 平安時代・12世紀 京都・禅林寺蔵』の画像

    国宝 金銅蓮華唐草文磬 平安時代・12世紀 京都・禅林寺蔵

    本館 14室
    2010年8月10日(火) ~ 2010年10月3日(日)

     仏教では音を出す仏具(梵音具。梵は「仏教の」という意味)が用いられます。よく知られているものに、寺院の鐘楼(しょうろう)に吊りさげ、朝に夕 に、つき鳴らされている梵鐘(ぼんしょう)がありますが、そのほかにも仏堂の内外につるして鳴らす鰐口(わにぐち)や雲版(うんぱん)、仏教の儀式の中で鳴らす磬(けい)、鉦鼓(しょうこ)、木魚(もくぎょ)などがあります。

       音を鳴らすという行為の目的としては、ひとつには法要や儀式の中で、音により時間の区切りをつけたり、進行のリズムを作るということもありますが、何よりも音を出すことで宗教的雰囲気を高め、仏心を呼び覚ますという思想が根本にあると考えられます。

       梵音具は個々の名称もそうですが、それぞれに独特の形状をしており、中には鐘や磬のように、はるか古代中国の青銅器に形式の起源をもつ例もあります。ま た同じ鐘でも、日本と朝鮮半島では明らかな形式の違いを見てとることができます。こうしたさまざまな梵音具の、独特の造形美、仏具としての機能美をお楽し みください。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要文化財 銅蝶形磬 長野県松本市宮渕出土 平安時代・長保3年(1001) 高橋保氏寄贈(2010年8月11日(水)から展示)
重要文化財 白銅蓮池文磬 奈良県吉野郡吉野町金峯山出土 平安時代・12世紀
国宝 金銅蓮華唐草文磬 平安時代・12世紀 京都・禅林寺蔵
重要文化財 銅鰐口 長野県松本市宮渕出土 平安時代・長保3年(1001) 高橋保氏寄贈(2010年8月11日(水)から展示)
重要文化財 梵鐘 遼「乾統七年」銘 朝鮮 高麗時代・睿宗2年(1107) 東京・西新井大師総持寺蔵
関連事業
月例講演会「梵音具─仏教の鳴器」
平成館大講堂 2010年8月21日(土) 13:30~15:00(開場13:00) 当日受付
講師:教育普及室長 伊藤信二
列品解説「高麗時代の金鼓」
本館14室 2010年8月10日(火) 14:00~14:30 当日参加
講師:平常展調整室長 白井克也