本館 特別2室
2010年9月14日(火) ~ 2010年12月5日(日)
インドネシアの伝統的な人形芝居ワヤンは、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。水牛の革・角・骨で作られた影絵人形のワヤン・クリは中部ジャワ・東部ジャワやバリ島で、木彫りの人形を用いるワヤン・ゴレは西部ジャワで盛んに行われます。
演じられるのは、古代インドの壮大な叙事詩『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』です。10世紀ごろ、ヒンドゥー教とともにインドネシアに伝えられ、民 衆の間に広まりました。やがて絵巻物をあやつってその物語を語るワヤン・ベベルが登場しました。そこから人形が独立したものがワヤン・クリ、人形が木彫り になったのがワヤン・ゴレです。物語もインドネシアの歴史や自然の中でアレンジされ、登場人物の名前もジャワ語になっています。
人形遣いダランは、夜を徹してすべての人形を1人で操り、せりふを語り、そして伴奏のガムランに演奏の指示をも下します。
東京国立博物館は、過去百年間に4人の方からワヤン・クリやワヤン・ゴレのご寄贈を受けました。この特集陳列では、そのすべてのワヤンを紹介するとともに、それぞれの立場で日本とインドネシアの交流に尽くされたご寄贈者を顕彰します。