本館 16室
2010年9月7日(火) ~ 2010年10月17日(日)
釈奠(せきてん)は、孔子や儒教の先哲・賢人を祭る行事です。古代中国ではじまり、日本では文武天皇の時 代、大宝元年(701)にはすでに大学寮で行われていました。国宝「延喜式」巻第二十には、孔子たちの画像を掲げて食物や酒を供え、大学頭が祝文を読み参 拝したことが記され、当時の様子がうかがえます。近世には江戸幕府によって湯島聖堂で大々的に行われるようになり、藩校にも広まりました。
東京国立博物館は、明治5年(1872)の湯島聖堂博覧会を創立・開館とすることから、湯島聖堂で行われていた釈奠の資料がたくさん伝わっています。今 回はその中から、「歴聖大儒像(れきせいだいじゅぞう)」などの肖像画や、釈奠の様子を描いた絵図を展示します。また、「延喜式」や、釈奠が行われた際に 三条西実隆(さんじょうにしさねたか)が書いた「詩懐紙(しかいし)」など、釈奠や湯島聖堂に関わる作品をご紹介します。