平成館 企画展示室
2010年5月11日(火) ~ 2010年5月23日(日)
海外に所在する日本の古美術品は、日本文化を紹介する文化大使ともいうべき役割を担っています。しかしながらそのなかには、気候風土の違いなどから損傷が進み、公開に支障をきたしている作品も少なくありません。
そこで、海外の美術館・博物館が所蔵する絵画作品を対象にして、文化庁は、平成3(1991)年度から「在外日本古美術品保存修復協力事業」を開始しま した。その後、平成9(1997)年度からは対象を漆工品等の工芸品にも拡大するとともに、平成13(2001)年度からは、東京文化財研究所が事業主体 となってこれを推進しています。
さらに、平成18(2006)年度からはドイツのケルン東洋美術館に漆工品の修復工房を開設し、平成20(2008)年度からはベルリンのドイツ技術博物館に絵画作品の修復工房を開設して、日本から専門家を派遣して現地での修復も行っています。
今回の展示では、日本へ里帰りさせて、国内の工房で平成21(2009)年度末に修復が完了した絵画1件と漆工品2件を公開いたします。この展示を通じ東京文化財研究所の国際協力の一端をご理解いただければ幸いです。