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有職(ゆうそく)

  • 『旧儀式図画帖「修学院御幸」 藤島助順筆 明治時代・19~20世紀』の画像

    旧儀式図画帖「修学院御幸」 藤島助順筆 明治時代・19~20世紀

    本館 特別2室
    2010年2月3日(水) ~ 2010年3月28日(日)

      平安時代の宮廷では、皇族・廷臣・女官たち宮廷人(きゅうていびと)が、宮殿のなかで、格調高い調度品に囲まれ、色あざやかな服飾を装い、優雅な儀式をと り行う日々をおくっていました。これら宮廷の儀礼・祭礼・年中行事・官職・位階・作法・建築・調度・服飾・食事・遊宴などには独特な形式がありました。こ の宮廷礼法に関する知識やその研究を有職(ゆうそく)といいます。

      中国の隋(ずい)・唐(とう)から伝わった律令国家体制の実現をめざしながらも、日本の実情に適応した特殊な礼法が発達しました。儀式は厳粛に、建物や工芸品は美麗にととのえられ、雅趣(がしゅ)ある空間が形成されました。

      ところが中世に武家が台頭し、戦乱が続くうちに、宮廷は荒廃し、儀式も省略、停止されました。江戸幕府が開かれ、戦乱のない平和な時代になると、宮廷で は相次いで儀式が復興され、宮殿はかつての宮廷の制度に基づき再建され、服飾・調度品も伝統的な形式で調進(ちょうしん)されました。この宮廷の復興に は、有職が役立てられました。

      この特集陳列では、江戸時代の有職学者の研究成果に基づいて作られた調度品、宮廷装束の様式を伝える裂(きれ)類、当時の宮廷儀式を描き留めた儀式図などを紹介します。
主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
類聚雑要抄彩色図 高橋宗恒撰 江戸時代・18世紀
装束裂(九重の紅葉) 江戸時代
唐菓子雛形 江戸時代・19世紀 榊原芳野氏寄贈
旧儀式図画帖「修学院御幸」 藤島助順筆 明治時代・19~20世紀
国宝 飾剣 広橋家伝来 平安時代・12世紀
飛香舎調度 二階厨子 江戸時代・19世紀
 
図録

有職図録 「よみがえる宮廷 有職の精華」
価格:600円
本館地下ミュージアムショップにて販売しています。