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シリーズ「歴史を伝える」 皇室と東京帝室博物館

  • 『赤坂離宮下絵 花鳥図画帖 荒木寛畝・渡辺省亭筆 明治時代・19世紀』の画像

    赤坂離宮下絵 花鳥図画帖 荒木寛畝・渡辺省亭筆 明治時代・19世紀

    本館 16室
    2009年10月14日(水) ~ 2009年12月6日(日)

     明治5年(1872)に文部省により開かれた湯島聖堂博覧会を創立・開館とする東京国立博物館は、明治 19年(1886)から昭和22年(1947)の間は宮内省附属の博物館でした。明治33年(1900)からは東京帝室博物館と名乗り、帝室(皇室)と深 く関わりながら活動してきました。

      明治5年(1872)の正倉院開封以降、博物館は皇室とともに正倉院宝物の管理や修理を行っていました。『御物上代染織文(ごもつじょうだいせんしょく もん)』など正倉院宝物の図録を発行し、昭和15年(1940)には正倉院宝物を東京に運んで「正倉院御物展観」を開いています。また、皇室が優れた美術 家を保護するために定めた帝室技芸員(ていしつぎげいいん)の任命には博物館が関わっており、竹内久一(たけのうちきゅういち)作「神鹿(しんろく)」な ど帝室技芸員の作品が当館に伝わっています。明治11年(1878)、法隆寺が皇室に献納した「法隆寺献納宝物(ほうりゅうじけんのうほうもつ)」も、奈 良から東京への輸送を博物館が担当しました。その後、東京帝室博物館で展示した「法隆寺献納宝物」の多くは、現在も当館が所蔵し、法隆寺宝物館にて常時展 示をしています。さらに、明治宮殿(めいじきゅうでん)(戦前の皇居)の造営や、二条離宮の改修工事の際には、博物館館長・山髙信離(やまたかのぶあき ら)が内部装飾の制作を行いました。そのため、当館には皇室建築に関わる資料も残されています。

      本特集陳列に関連する企画として、本館19室の特集陳列「帝室技芸員」(2009年9月8日(火) ~ 2009年12月6日(日))や、本館特別2室の特集陳列「東京国立博物館所蔵の正倉院織物」(11月10日(火)~12月6日(日))もあわせて御覧ください。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
神鹿 竹内久一作 大正元年(1912) 竹内久一氏寄贈
赤坂離宮下絵 花鳥図画帖  荒木寛畝・渡辺省亭筆 明治時代・19世紀
明治宮殿杉戸絵 石山秋月 狩野探美筆 明治20年(1887)頃
関連事業

上野の山文化ゾーンフェスティバル 講演会シリーズ(10) 月例講演会 皇室と東京帝室博物館
平成館 大講堂:2009年11月21日(土) 13:30~15:00 当日受付
講師:博物館情報課長 高橋裕次
図録

皇室と東京帝室博物館図録 東京国立博物館の歴史1「皇室と東京帝室博物館」
価格:600円
本館地下ミュージアムショップにて販売しています。