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特別展「染付-藍が彩るアジアの器」

特別展「染付-藍が彩るアジアの器」 / 平成館 特別展示室第1室・特別展示室第2室   2009年7月14日(火) ~ 2009年9月6日(日)

  
重要文化財 青花蓮池魚藻文壺 中国・景徳鎮窯 元時代・14世紀 大阪市立東洋陶磁美術館蔵

 白磁の素地にコバルトを含んだ顔料で文様を描き、鮮やかな藍色に発色させる染付の技法は、中国で元時代に完成されました。やがてベトナム、朝鮮、日本に伝わり、各地で個性豊かな染付が焼かれました。東洋各地の染付を、躍動する文様、素地の美、そして生活に密着した器といったさまざまな観点から紹介します。

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開催概要
会  期 2009年7月14日(火)~9月6日(日)
会  場 東京国立博物館 平成館 特別展示室第1・2室
開館時間 9:30~17:00 (入館は閉館の30分前まで)
(ただし、会期中の金曜日は20:00まで、土・日・祝日は18:00まで開館)
休館日 月曜日(ただし7月20日(月・祝)・8月10日(月)は開館、7月21日(火)は休館)
観覧料金 一般1000円(800円/700円)、大学生800円(600円/500円)、高校生600円(400円/300円)
中学生以下無料
( )内は前売/20名以上の団体料金
障害者とその介護者一名は無料です。入館の際に障害者手帳などをご提示ください。
前売券は、東京国立博物館 正門観覧券売場(開館日のみ、閉館の30分前まで)、JR上野駅公園口イベント入場券売場(月曜休、5月13日(水)より販売)、上野公園案内所(5月13日(水)より販売)、電子チケットぴあ(Pコード=688-673)、CNプレイガイド、ローソンチケット(Lコード=36125)、サークルK・サンクス、イープラス、JTB・JTBトラベランド・JTB総合提携店、セブン-イレブン、主要プレイガイドにて、2009年5月9日(土)から7月13日(月)まで販売。前売券の販売は終了しました。
同時開催の特別展「伊勢神宮と神々の美術」(平成館特別展示室第3・4室)は別途観覧料が必要です。
同時開催の特別展「伊勢神宮と神々の美術」とのセット券の料金は、一般1600円(1300円)、大学生1200円(900円)、高校生800円(700円) ※( )内は前売料金(前売セット券の販売は終了しました)。セット券は、東京国立博物館 正門観覧券売場(開館日のみ、閉館の30分前まで)、JR上野駅公園口イベント入場券売場(月曜休)、上野公園案内所、主要プレイガイド[京王チケットサービス、サブナードプレイガイド、チケットビューロー、ちけっとぽーと、浦崎画材店(東京都美術館内)]にて 販売。 ※他の割引との併用はできません。
「東京・ミュージアムぐるっとパス」で、当日券一般1000円を900円(100円割引)でお求めいただけます。正門観覧券売場(窓口)にてお申し出ください。
東京国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生の方は、当日券を600円(200円割引)でお求めいただけます。正門観覧券売場(窓口)にて、キャンパスメンバーズ会員の学生であることを申し出、学生証をご提示下さい。
特別展「染付-藍が彩るアジアの器」会期終了後の2009年9月8日(火)~9月27日(日)まで、本特別展半券を当館正門観覧券売場にてご提示いただければ、当館平常展を半額の割引料金でご覧いただけます。
交  通 JR上野駅公園口・鶯谷駅より徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分
主  催 東京国立博物館
協  力 日油株式会社、産経新聞社
カタログ・音声ガイド 展覧会カタログ(1500円)は、平成館2階会場内、および本館地下ミュージアムショップにて販売しています。音声ガイド(日本語のみ)は500円でご利用いただけます。同時開催の特別展「伊勢神宮と神々の美術」の音声ガイドと両方ご利用いただくと、800円の割引料金となります。
お問い合わせ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
関連事業
連続講座「東洋の染付」
  平成館 大講堂 2009年7月18日(土)~7月20日(月・祝) 13:00~16:00 受付終了
特別展「染付―藍が彩るアジアの器」をより深く理解していただくために、3日間の連続講座を行います。5人の講師が、中国、ベトナム、朝鮮、日本、それぞれの国・地域で作られた染付の魅力についてお話しし、最終日には講師全員による総合討論を予定しています。
「ものしり染付ワークシート」配布
  ものしり染付ワークシート 特別展「染付―藍が彩るアジアの器」会場にて、児童・生徒の方を対象に、「ものしり染付ワークシート」を配布しています。鑑賞の手引きとしてご利用ください。
※配布は終了しました。

児童・生徒のみなさん向けページ「作ってみよう!」にて、「ものしり染付ワークシート」についている染付ぬり絵はがきをダウンロードいただけます。


 
同時開催特別展
第62回式年遷宮記念 特別展「伊勢神宮と神々の美術」
会期:2009年7月14日(火)~9月6日(日)
会場:平成館 特別展示室第3・4室
観覧料:特別展 「伊勢神宮と神々の美術」の観覧券が必要です。
古代から近世までの伊勢神宮の神宝をはじめ、天皇や将軍から寄進された品々や神宮と関連の宝物約100件を展示。伊勢神宮の歴史と信仰をたどるとともに、古式に則り日本の美と技が伝承される式年遷宮の実像に迫ります。また歴史と伝統を育んだ神道の美術に光をあて、日本古来の宗教美術の精華を紹介します。
展覧会のみどころ
元の染付
 染付は中国の景徳鎮窯(けいとくちんよう)で元時代の終わりごろに完成されます。生き生きとした動きをもった文様表現が特長です。
青花蓮池魚藻文壺
 
  重要文化財 青花蓮池魚藻文壺(せいかれんちぎょそうもんつぼ)
中国・景徳鎮窯
元時代・14世紀
大阪市立東洋陶磁美術館蔵


 水中を魚が泳ぐ情景は元時代の青花磁器に好んで取り上げられた題材の一つです。口縁に描かれた元時代独特の波濤文が、あたかも回り灯籠のように文様に動きをもたせる効果を生み出しています。
明の染付
 明時代になると染付は宮中の御用品を焼く官窯でも採用されます。洗練を極めた格調高い様式が完成されます。
青花歳寒三友図皿
 
  青花歳寒三友図皿(せいかさいかんさんゆうずさら)
中国・景徳鎮窯 「大明宣徳年製」銘
明時代・宣徳年間(1426~35)
個人蔵


 官窯の制度が整備された宣徳年間には気品のある美しい白磁が焼かれました。良質の輸入コバルト顔料で描かれた優美な文様は、素地の美しさを引き立てる働きをしています。
ベトナムの染付
 ベトナムの染付は独特の温容な表情をそなえています。安南染付(あんなんそめつけ)の名で日本の茶人に愛されました。
青花鶴図大皿
 
  青花鶴図大皿(せいかつるずおおざら)
ベトナム 16世紀
個人蔵


 ベトナムでは中国に次いで早く染付の生産が始まり、東南アジアなどへ向けてさかんに輸出されました。外周の唐草文のゆらめくような表現はベトナム独特のものです。
朝鮮の染付
 朝鮮では宮廷画家が筆をふるい、気品のある染付が焼かれました。やがて、「秋草手」とよばれる独特の作風を完成させます。
青花秋草文筆筒   青花秋草文筆筒(せいかあきくさもんひっとう)
朝鮮時代・18世紀
東京国立博物館蔵 (小倉コレクション保存会寄贈)


 余白を大きく残し、簡略な筆づかいで草花文がのびやかに描かれています。独特の静かな味わいをそなえた様式は、日本では「秋草手」の名で親しまれています。
明末清初の民窯の染付
 明末清初期の景徳鎮窯ではさまざまな輸出向けの染付が作られます。日本の茶人向けに好みの意匠の器を誂えることも行われました。
古染付御所車図六角手付鉢   古染付御所車図六角手付鉢(こそめつけごしょぐるまずろっかくてつきはち)
中国・景徳鎮窯
明時代・17世紀
東京国立博物館蔵 (広田松繁氏寄贈)


 日本の茶人が中国の景徳鎮窯に注文して作らせた器です。
日本風の装束をまとった人物と御所車の図があらわされています。おそらく絵手本をもとに描いたものと思われますが、御所車の構造を理解していなかったために、見事に写し崩れています。
伊万里と鍋島の染付
 日本では朝鮮半島から渡来した陶工によって技術が伝えられ、江戸時代初頭に九州有田で染付の生産が始まります。中国の技術や様式を貪欲に吸収する一方、独自の様式を完成させている点も見逃せません。鍋島藩が贈答用に焼いた鍋島焼は、技巧の粋といえるでしょう。
染付山水図深鉢   染付山水図深鉢(そめつけさんすいずふかばち)
伊万里
江戸時代・17世紀
東京・サントリー美術館蔵


 朝鮮半島から磁器焼成の技術が伝えられて間もない時期に焼かれた初期伊万里の深鉢。山水図がのびのびと描かれ、初期伊万里特有の自由奔放な気分に満ちています。
染付蓮鷺文三足皿   重要文化財 染付蓮鷺文三足皿(そめつけれんろもんさんそくさら)
鍋島
江戸時代・17~18世紀
佐賀県立九州陶磁文化館蔵


 鍋島藩が将軍家への献上品や大名への贈答品などを焼くために置いた藩窯の染付。コバルト顔料を薄くむらなく塗りつめる、高度の濃染め(だみぞめ)技法が駆使されています。
京焼と地方窯の染付
 京都では、中国明時代の染付の様式に取材した文人趣味の染付が作られました。江戸時代後期に、染付の技術は瀬戸をはじめ日本各地に広がります。
染付龍濤文提重   重要文化財 染付龍濤文提重(そめつけりゅうとうもんさげじゅう)
青木木米作
江戸時代・19世紀
東京国立博物館蔵 (笠置 達氏寄贈)


 青木木米(1767~1833)は江戸時代後期に京都で活躍した文人陶工です。中国の磁器をよく研究し、中国趣味が横溢する独自の煎茶具などを作りました。
幕末の伊万里染付大皿
 江戸時代末の文化・文政から天保期にかけて、大胆で奇抜な意匠の染付大皿が量産され、人々の生活を彩りました。網目文の皿には海の幸、羊歯文の皿には山の幸が盛られたのでしょう。
染付羊歯文大皿   染付羊歯文大皿(そめつけしだもんおおざら)
伊万里
江戸時代・18~19世紀
東京国立博物館蔵 (平野耕輔氏寄贈)


 シダとユキノシタの葉をあらわした大胆な意匠の大皿。
宴席でもひときわ目を引く存在だったでしょう。キノコのような山の幸が盛られたのではないでしょうか。
染付けをつかって 朝
染付けをつかって 朝食
さわやかな夏の朝の食卓のイメージです。ガラスの小皿をアクセントに

染付けをつかって お酒のもてなし
染付けをつかって お酒のおもてなし
陶器と磁器、質感のバランスと色のバランスが心地よい食卓です 

染付けをつかって お茶のもてなし
染付けをつかって お茶のもてなし
替え茶碗にやさしい風合いの染付を2種、茶入れには古染付を使いました。地肌の白もいろいろ。昼のもてなしにふさわしい軽やかな取り合わせです 
取り合わせを楽しむ
 本展の最終章では「染付」を通して膳を見直してみようというコンセプトに基づいたテーブルセッティングと、酒器、茶道具を使ったもてなしのディスプレイを試みました。

20~30年ほど前まででしょうか、銘々皿、つまり「お父さんのお茶碗」「~ちゃんのお茶碗」というのが、日本の食事には当たり前のようにありました。家族であっても、自分の器以外は使わない、という暗黙の了解があり、大人になっても、結婚しても、壊れるまで大事に使い続け、持ち主が亡くなれば、人生を共にした器も割って捨てるという独特の風習さえありました。

しかし、いまでは食生活の変化、家族構成の変化にともなって、個人の器という感覚がなくなってきているようです。膳は日本人の生活空間が和室から洋室に変化するなかで、消えていったものです。

そのうえ膳からテーブルへと様式が変わるにつれて、時間に追われる私たちは、やきものや漆、ガラスや金属といった素材、性質、風合いの異なるさまざまな器を、季節や空間に応じて使い分ける良さと楽しみまでも、忘れつつあります。

古いもの、新しいもの、軽いもの、重たいものなど、さまざまなやきものの器を手にとり、使うことの楽しさ、そしてやきものから新しい世界が広がっていく魅力をお伝えします。

さらに、使い方の提案として2枚の大皿にそれぞれ、「海のもの」と「山のもの」をのせて盛り付けました。会場にて、お楽しみに!