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シリーズ「歴史を伝える」 古写真-小川一真と近畿宝物調査-

  • 『彫刻写真帖/一等彫刻;地;奈良県 小川一真撮影 明治21年(1888) 臨時全国宝物取調局より引継ぎ』の画像

    彫刻写真帖/一等彫刻;地;奈良県 小川一真撮影 明治21年(1888) 臨時全国宝物取調局より引継ぎ

    本館 16室
    2009年7月28日(火) ~ 2009年8月16日(日)

     特集陳列「古写真」とは、「写真」を用いて、文化財とその保存についてご紹介するシリーズです。これまでも、幕末に伝えられた写真の技術が、その当時から記録手段であるだけでなく、芸術表現でもあったことをご覧いただいてきました。

      今回は、日本写真史における先駆的写真師(当時カメラマンをこう呼びました)・小川一真(おがわかずまさ)が近畿宝物調査(明治17~21年・1884~1888)で撮影した写真を展示いたします。

      この時の撮影で小川は、当時最新の技術を駆使しています。湿板ではなく乾板フィルムを、そしてマグネシウムを使ったストロボを使用しました。また、銀で はなく、白金を用いて感光するプラチナプリントで焼付けています。そのため、幅広いグレーの階調による立体感と、プラチナの金属としての安定性による耐久 性を実現しました。120年を経てなお色褪せない美しさは、芸術写真といっても過言ではないでしょう。

      フェノロサや岡倉天心らによる大規模な文化財調査での文化財記録写真としても貴重な写真の数々にご注目ください。
主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
彫刻写真帖/三等四等五等彫刻;天;京都府 小川一真撮影 明治21年(1888) 臨時全国宝物取調局より引継ぎ
彫刻写真帖/一等彫刻;地;奈良県 小川一真撮影 小川一真撮影 明治21年(1888) 臨時全国宝物取調局より引継ぎ
帝室技芸員履歴書 小川一真筆 明治21年(1888) 臨時全国宝物取調局より引継ぎ
美術工芸写真帖/自一等至三等四等及六等;美術工芸;地;奈良県 小川一真撮影 明治21年(1888) 臨時全国宝物取調局より引継ぎ
写真帖/人民之部;乙 小川一真撮影 明治21年(1888) 臨時全国宝物取調局より引継ぎ
関連事業

月例講演会「東京国立博物館収蔵の古写真と写真師小川一真」
平成館大講堂 2009年8月1日(土) 13:30~15:00(開場13:00) 受付終了
講師:東京国立博物館書跡・歴史室長 冨坂 賢
    江戸東京博物館学芸員 岡塚 章子 氏
座談会 冨坂 賢×岡塚 章子 氏
司会:東京都写真美術館専門調査員 金子 隆一 氏