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狂言の面・装束

  • 『狂言面 猿 安土桃山時代・16世紀』の画像

    狂言面 猿 安土桃山時代・16世紀

    本館 9室
    2009年7月22日(水) ~ 2009年9月13日(日)

     狂言は室町時代の日常生活を舞台にした喜劇です。神仏や自然現象と人間、あるいは人間同士の関わりを、滑稽 に、時に風刺を込めて描きます。ずる賢さ、横着、嫉妬、わがまま、人情など、人間のありのままの感情や行動に対する深い洞察が見え隠れし、しみじみとした 共感と笑いを誘います。

      狂言の舞台でつける面は、猿や狐など動物面、泣いている尼、老人の祖父(おおじ)、若い女性の乙(おと)など老若男女の面のほか、雷、精霊などを表わした面もあります。いずれも喜劇にふさわしく、表情豊かでユーモラスです。

      狂言装束には、室町時代の庶民の衣服の形が受け継がれています。能装束のような華やかさはありませんが、狂言によく登場する地方住まいの大名や、その従 者たちの親しみやすい役柄にはよく合います。江戸時代後期になると、素襖(すおう)や肩衣(かたぎぬ)に大胆でユーモアに満ちた染模様(そめもよう)がデ ザインされるようになりました。年中行事や祭礼、四季折々の草花や野菜、生活用具や玩具(がんぐ)、里山に生息する動物や昆虫などを、自由闊達に描いてい ます。

      『能狂言絵巻(のうきょうげんえまき)』中巻には、江戸時代前期における大名家での狂言の様子が描かれています。にぎやかな舞台を思い浮かべながら、狂言の装いをお楽しみください。
主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
狂言面 猿 安土桃山時代・16世紀
肩衣 黒麻地波兎牡丹唐草州浜笹模様 江戸時代・19世紀
関連事業

狂言「蚊相撲」「神鳴」「蟹山伏」公演
平成館大講堂 2009年8月12日(水)13:30~15:30 受付終了