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シリーズ「歴史を伝える」 日本の食文化

  • 『料理物語 江戸時代・寛永20年(1643) 徳川宗敬氏寄贈』の画像

    料理物語 江戸時代・寛永20年(1643) 徳川宗敬氏寄贈

    本館 16室
    2009年3月17日(火) ~ 2009年4月19日(日)

     日本の食文化は、古くからの日本人の食生活の中で形成されてきました。中世の絵巻物などには、貴族や武士た ちは、米飯を主食に、魚貝類の干物、塩蔵品などをおかずとしている様子が描かれています。こうしたおかずが、長い間に洗練されて、今日の日本料理へと進化 していきます。室町時代に儀式として行われた料理では、宮廷や幕府専属の料理流派が登場し、包丁のさばき方や盛りつけが重視され、流派ごとに秘伝がつくら れます。一方、茶の湯の発達にともなって懐石料理が生まれ、もてなしのために温かい料理が提供されるなど、様々な日本料理が展開されるようになりました。

      江戸時代に入ると、南蛮料理の影響や、調理技術および器具の普及、醤油の生産の本格化が、さらに日本料理の幅を拡げ、『料理物語』などの実用的な料理書 が出版されました。江戸時代中期ころからは、各地に料理屋が出現し、料理を遊びとして楽しむという風潮があらわれています。さらに砂糖や鶏卵などの普及 で、和菓子も種類が増加し、めざましい発展をみせました。また料理書では、営利を目的とした出版も行われ、文化・文政期にその件数が急増しました。今回の 展示では、主に江戸時代の料理書をとおして、日本の食文化の歴史を紹介します。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
料理物語 江戸時代・寛永20年(1643) 徳川宗敬氏寄贈
精進料理素人庖丁 直亭馬瑟序 江戸時代・文政3年(1820) 徳川宗敬氏寄贈