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中国の五彩と日本の初期色絵

  • 『五彩丸文平鉢 中国 景徳鎮窯 明時代・17世紀 広田松繁氏寄贈』の画像

    五彩丸文平鉢 中国 景徳鎮窯 明時代・17世紀 広田松繁氏寄贈

    本館 14室
    2010年3月30日(火) ~ 2010年5月30日(日)

      いったん高温で焼きあげた白磁や染付に上絵具で絵付けし、再び錦窯(きんがま)とよばれる小型の窯に入れて 焼きつける技法を、中国では五彩(ごさい)といいます。中国の景徳鎮窯(けいとくちんよう)では、明末清初(みんまつしんしょ)の時期に天啓赤絵(てんけ いあかえ)、色絵祥瑞(いろえしょんずい)、南京赤絵(なんきんあかえ)といった多種多彩な五彩磁器が焼かれ、さかんに輸出されました。

       日本に伝わった中国の五彩の技法は、色絵と呼ばれます。九州肥前(ひぜん)有田では、17世紀初頭に朝鮮半島から白磁の技術が、そして17世紀中頃には 中国から色絵の技術が導入されました。中国のさまざまな五彩磁器をもとに、有田で豊かな創意が加えられ、花開いたのが「初期色絵」です。色絵祥瑞をもとに 日本独自のおだやかな様式を完成させた「祥瑞手(しょんずいで)」、南京赤絵や康煕(こうき)五彩をもとに上絵具の色彩と質感とに着目してこれを増 殖させ、濃厚な色彩と大胆な構図に特色がある独創的な「五彩手(ごさいで)」などが作られました。これら「初期色絵」の中にはかつて加賀の九谷(くたに) で焼かれたと考えられたことから「古九谷(こくたに)」と呼ばれた作品も含まれます。

       中国の五彩と日本の「初期色絵」を比較することにより、相互の影響関係、そして模倣と創造の不即不離(ふそくふり)の関係を紹介します。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
五彩丸文平鉢 中国 景徳鎮窯 明時代・17世紀 広田松繁氏寄贈
色絵山水船人物図銅鑼鉢 伊万里(祥瑞手) 江戸時代・17世紀 横河民輔氏寄贈
五彩蓮池図大皿 中国 景徳鎮窯 清時代・17世紀 広田松繁氏寄贈
色絵蝶牡丹文大皿 伊万里(古九谷五彩手)  江戸時代・17世紀
色絵翡翠図平鉢 伊万里(古九谷五彩手)  江戸時代・17世紀