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酒呑童子

  • 『酒呑童子絵扇面 筆者不詳 室町~安土桃山時代・16世紀 個人蔵』の画像

    酒呑童子絵扇面 筆者不詳 室町~安土桃山時代・16世紀 個人蔵

    本館 特別1室・特別2室
    2009年3月24日(火) ~ 2009年4月19日(日)

     『酒呑童子(しゅてんどうじ)』は、源頼光(みなもとのよりみつ)が家来の四天王、渡辺綱(わたなべのつな)・坂田公時(さかたのきんとき)・碓井貞光(うすいさだみつ)・卜部末武(うらべすえたけ) と藤原保昌(ふじわらやすまさ)を引き連れ、八幡・住吉・熊野の神々の加護を得て、都から娘をさらう鬼神、酒呑童子を退治する物語です。

      物語は、南北朝時代から室町時代に成立したとされ、江戸時代に出版され人気を博した『御伽草子(おとぎぞうし)』にも収められました。室町時代以降、『酒呑童子』を主題とした物語り絵も数多く制作されました。

      今回紹介する「酒呑童子絵扇面」は、もと6曲1双の屏風に貼りこまれていたもので、扇の折り跡が無いことから当初より観賞用に制作されたことがわかりま す。物語の発端から酒呑童子を退治して都に凱旋するまでを全36面で描く貴重な作品です。物語の展開の順に番号を付しましたので、御伽草子を読むようにス トーリーを追ってみてください。あわせて、安土桃山時代の狩野派の絵巻、室町時代の狩野元信(かのうもとのぶ)と江戸時代の狩野探幽(かのうたんゆう)の 絵巻の模本、菱川師宣(ひしかわもろのぶ)の版画も展示しました。時代や作者、表現のちがいを比べながらお楽しみ下さい。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
酒呑童子絵巻 伝狩野孝信筆 江戸時代・17世紀
酒伝童子絵巻(模本) 模写者不詳 江戸時代・18世紀、原本=狩野元信筆、室町時代・大永2年(1522)
酒呑童子図 菱川師宣筆 江戸時代・17世紀
酒呑童子絵扇面 筆者不詳 室町~安土桃山時代・16世紀 個人蔵