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キリシタン―大航海時代のキリシタン遺物―

  • 『重要文化財 聖母像(親指のマリア) イタリア 17世紀 長崎奉行所旧蔵品(宗門蔵保管)』の画像

    重要文化財 聖母像(親指のマリア) イタリア 17世紀 長崎奉行所旧蔵品(宗門蔵保管)

    本館 特別2室
    2008年10月7日(火) ~ 2008年11月16日(日)

     15世紀の終わりごろから16世紀にかけて、ポルトガルとスペインは新天地を求め、競って未知の世界への航海に出かけました。スペインは地球を西回りに、アメリカ大陸、太平洋を経て16世紀の初めにフィリピンに達しています。一方、ポルトガルは地球を東回りに、アフリカ大陸の喜望峰を経由し、16世紀の初めにマレー半島のマラッカに、1549年にはイエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエルが鹿児島の地を踏みました。

      ザビエルはわが国でキリスト教の布教を始め、九州や五畿内の諸大名がキリシタンに改宗するなど、信徒の数は次第に増えていきました。宣教師たちは本国に対し布教のための各種の聖具を送るよう依頼していたことがイエズス会の記録でわかっています。

      1579年に巡察師ヴァリニャーノが来日すると、布教の体制を整備するため、セミナリオやコレジオなどの教育機関も設立されました。ここでは音楽、語学、美術などの西欧の教育が実践され、絵画などの優れた作品が制作されたと考えられています。

      この特集陳列では、大航海時代に、ポルトガル船によってもたらされ、またあるいはわが国で作られたキリシタン遺物を中心に紹介し、東西文化の交流の諸相をご覧いただきます。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要文化財 エラスムス立像 1598年 栃木・龍江院蔵
泰西騎士像 筆者不詳 安土桃山時代・16世紀
重要文化財 天正遣欧使節記 イタリア・レッジオ刊 イタリア・1585年
重要文化財 キリスト像 16世紀後期~17世紀初期 長崎奉行所旧蔵品(宗門蔵保管)