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二体の大日如来像と運慶様の彫刻

  • 『重要文化財 大日如来坐像  鎌倉時代・12世紀 栃木・光得寺蔵』の画像

    重要文化財 大日如来坐像  鎌倉時代・12世紀 栃木・光得寺蔵

    本館 12室
    2008年7月10日(木) ~ 2008年9月21日(日)

     運慶は平安時代末期から鎌倉時代初期に活躍した仏師で、日本彫刻史上最も重要な仏師の一人です。天平彫刻が残る奈良の地で活躍した、いま慶派と呼んでいる仏師集団に所属しました。古典を学んで写実的で運動感に富む新鮮な作風を創造しました。運慶は奈良や京都の旧来の需要層にとどまらず、鎌倉幕府という新勢力の造像も多く手がけました。頼朝の岳父北条時政(ときまさ)が発願した静岡・願成就院の諸像などがそれで、近年発見された、運慶作品と考えられる光得寺と真如苑所蔵の二体の大日如来像も、鎌倉幕府の御家人の足利義兼(よしかね)発願である可能性があります。それらの像をつうじて、関東にも運慶の作風が広がりました。

      この特集では運慶自身の造像である可能性が極めて高い二体の大日如来像と、運慶工房の作品ではないかともいわれる十二神将像、関東などに残る運慶の作風にならった像、運慶の孫である康円が造った像などを展示します。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
大日如来坐像 平安~鎌倉時代・12世紀 東京・真如苑蔵
重要文化財 大日如来坐像 鎌倉時代・12世紀 栃木・光得寺蔵
阿弥陀如来坐像 鎌倉時代・12世紀 静岡・願生寺蔵
十二神将立像 巳神 鎌倉時代・12~13世紀 神奈川・曹源寺蔵
関連事業

記念講演会「足利樺崎寺と大日如来像、そして運慶」
平成館大講堂:2008年9月6日(土)13:30~15:00 受付終了
講師:清泉女子大学教授 山本 勉 氏
    足利市教育委員会文化課主幹 大澤 伸啓 氏