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平城遷都1300年記念「国宝 薬師寺展」

平城遷都1300年記念「国宝 薬師寺展」 / 平成館 特別展示室   2008年3月25日(火) ~ 2008年6月8日(日)

  
国宝 日光・月光菩薩立像 飛鳥時代(白鳳期)または奈良時代・7または8世紀 奈良・薬師寺蔵 (c)飛鳥園

 平城遷都1300年記念事業として、国宝 薬師寺展を開催いたします。聖観音菩薩立像、慈恩大師像、八幡三神坐像、吉祥天像(いずれも国宝)などの彫刻・絵画に草創期の考古遺物を加え、薬師寺の歴史と美のエッセンスをご覧いただきます。特に、日本仏教彫刻の最高傑作のひとつとして知られる日光・月光菩薩立像(国宝)が、そろって寺外ではじめて公開される、またとない機会です。

展示作品一覧へ
2008年5月20日(火) 入場者が50万人に達しました。
2008年6月4日(水) 入場者が70万人に達しました。

開催概要
会  期 2008年3月25日(火)~6月8日(日)
会  場 東京国立博物館 平成館 (上野公園)
開館時間 9:30~17:00 (入館は閉館の30分前まで)
(ただし土・日・祝・休日は18:00まで、2008年3月25日(火)~4月6日(日)と毎週金曜日は20:00まで開館)
※2008年6月4日(水)~6月8日(日)の5日間は、連日20:00まで開館いたします(入館は19:30まで)
休館日 月曜日(ただし2008年4月28日(月)、5月5日(月・祝)は開館、5月7日(水)は休館)
観覧料金 一般1500円(1300円/1200円)、大学生1200円(1000円/900円)、高校生900円(700円/600円)
中学生以下無料
( )内は前売り/20名以上の団体料金
障害者とその介護者一名は無料です。入館の際に障害者手帳などをご提示ください。
前売券は、電子チケットぴあ、ローソンチケット、ファミリーマート、CNプレイガイド、イープラス、JR東日本の主なみどりの窓口・びゅうプラザほか主要なプレイガイドおよび東京国立博物館 正門観覧券売場(開館日のみ)にて、2008年3月24日(月)まで発売。
東京国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生の方は、当日券を1000円(200円割引)でお求めいただけます。正門観覧券売場(窓口)にて、キャンパスメンバーズ会員の学生であることを申し出、学生証をご提示下さい。
特別展「国宝 薬師寺展」会期終了後の2008年6月10日(火)~29日(日)まで、本特別展半券を当館正門 観覧券売場にてご提示いただければ、当館平常展を半額の割引料金でご覧いただけます。
交  通 JR上野駅公園口・鶯谷駅より徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線 上野駅 、千代田線 根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分
主  催 東京国立博物館、法相宗大本山薬師寺、NHK、NHKプロモーション、読売新聞社
後 援 文化庁、奈良県、平城遷都1300年記念事業協会、東京都教育委員会、埼玉県教育委員会、千葉県教育委員会、神奈川県教育委員会
協 賛 王子製紙、キヤノン、大日本インキ化学工業(2008年4月1日よりDIC株式会社) 、トヨタ自動車、光村印刷
お問い合わせ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
展覧会ホームページ http://yakushiji2008.jp/
展覧会公式サイトは会期終了時をもって終了いたしました。
関連事業
「国宝 薬師寺展」開催記念特別講演会
  第1回
  平成館 大講堂 2008年3月29日(土) 14:00~15:30(開場13:30)  
第1部 薬師寺展のみどころ
講師:浅見龍介(東京国立博物館出版企画室長)
第2部 記念対談「大唐西域壁画と薬師寺の魅力」
平山郁夫 氏(日本画家)、安田暎胤 師(薬師寺管主)
第2回
  平成館 大講堂 2008年3月30日(日) 14:00~15:30(開場13:30)  
演題:「慈のこころ 悲のこころ」
講師:五木寛之 氏(作家)
「国宝 薬師寺展」記念講演会
  第1回
  平成館 大講堂 2008年4月12日(土) 13:30~16:00 
第1部
演題:「奈良で映画をつくり続けて」
講師:河瀨直美 氏(映画監督)
第2部
演題:「薬師寺創建の精神とまほろば」
講師:安田暎胤 師(薬師寺管主)
  第2回
  平成館 大講堂 2008年4月19日(土) 13:30~16:00 
第1部
演題:「薬師寺 飛鳥から平城へ」
講師:東野治之 氏(奈良大学教授・日本古代史)
第2部
演題:「薬師寺-1300年の歴史と文化-」
講師:山田法胤 師(薬師寺副住職)
  第3回
  平成館 大講堂 2008年5月10日(土) 13:30~16:00 
第1部
演題:「薬師寺薬師三尊像について-初期律令国家の理想仏-」
講師:金子啓明(当館特任研究員・彫刻史)
第2部
演題:「薬師寺-1300年の歴史と文化-」
講師:山田法胤 師(薬師寺副住職)
  第4回
  平成館 大講堂 2008年5月24日(土) 13:30~16:00  
第1部
演題:「薬師寺建築-裳階の美」
講師:藤井恵介 氏(東京大学大学院准教授・建築史)
第2部
演題:「藤原京薬師寺から平城京薬師寺へ」
講師:松久保秀胤 師(薬師寺長老)
「国宝 薬師寺展」開催記念トークショー
  (1)
  平成館 大講堂 2008年4月11日(金) 18:30~19:30(開場18:00)  受付終了
出演:石井竜也 氏(アーティスト)、安田暎胤 師(薬師寺管主)

(2)
  平成館 大講堂 2008年4月25日(金) 18:30~19:30(開場18:00)  受付終了
出演:河村隆一 氏(アーティスト)、安田暎胤 師(薬師寺管主)
万燈会
  薬師寺の玄奘三蔵会大祭で行われる万燈会を、多数の置灯篭で再現します。
平成館 前庭 18:00~20:00 受付終了
日程:2008年4月11日(金)、18日(金)、25日(金)
※4月18日(金)の万燈会は、荒天が予想されるため、中止となりました。
「国宝 薬師寺展」ガイダンス
  平成館 大講堂 (11:00-,) 13:00-, 15:00-, (16:00-,)  当日受付
講師:薬師寺僧侶
日程:
2008年3月25日(火)、28日(金)、
2008年4月1日(火)、3日(木)、 5日(土)、8日(火)、10日(木)、15日(火)、17日(木)、22日(火)、24日(木)、29日(火・祝)、
2008年5月1日(木)、3日(土・祝)、6日(火・休)、8日(木)、13日(火)、15日(木)、18日(日)、20日(火)、22日(木)、27日(火)、29日(木)、31日(土)、
2008年6月3日(火)、5日(木)、7日(土)
※各日の開催時間は「国宝 薬師寺展」ガイダンスのページにてご確認ください。
薬師寺東京別院との連携事業
国宝 薬師寺展開催記念「もうひとつの薬師寺展」
  薬師寺東京別院では、「もうひとつの薬師寺展」が同時開催されます。国宝「東塔天井図」をはじめ普段拝観することのできない宝物(彫刻・絵画・書籍・工芸)の数々が特別公開されます。
開催期間:2008年3月25日(火)~6月8日(日)
会場:薬師寺東京別院(東京都品川区)
拝観時間:9:00~17:00 拝観料:500円
後援:読売新聞社 協力:東京国立博物館、奈良国立博物館
※拝観休止日もございます。詳細は薬師寺東京別院ホームページ (http://www.yakushiji.or.jp)でご確認ください。
展覧会の構成と主な展示作品
第1章 薬師寺伽藍を行く
彫刻作品のみどころについて
薬師寺には、日本を代表する古代彫刻として有名な国宝の金堂薬師三尊像と東院堂聖観音菩薩立像があります。ともに完成度のきわめて高い様式的頂点を示す像ですが、自然で生き生きとした身体や、質感をよく表わす薄くやわら かい衣などの表現が見事です。今回の展覧会には金堂本尊薬師如来像の両脇侍である日光・月光菩薩立像が2体そろってはじめてお出ましになることが第一のみどころです。普段、薬師寺では両菩薩像は光背があり、聖観音菩薩立像も厨子内に安置されているため、そのすばらしい側面や背面はよく見えませんが、今回はそのすべてをご覧いただけます。
また、初期神像彫刻の代表として知られる薬師寺の鎮守、休ヶ岡八幡宮の国宝八幡三神坐像は、9世紀終わり頃の制作ですが、気品があり、当時の彩色もよく残る名品です。狛犬や板絵神像とともに社殿に安置されていた像すべてを見ることができます。
日光菩薩立像
(c)飛鳥園
  国宝 日光菩薩立像
飛鳥時代(白鳳期)または奈良時代・7または8世紀
銅 鋳造製 像高:317.3cm
奈良・薬師寺蔵


金堂本尊薬師如来の左(むかって右)に立つ像です。右の月光菩薩とともに本尊の両脇に立ち、薬師三尊像として制作されました。薬師如来が安定感のある堂々とした体躯であるのに対し、両脇侍は三曲法という動きのある体躯表現を示します。
月光菩薩立像
(c)飛鳥園
月光菩薩立像
(c)飛鳥園
  国宝 月光菩薩立像
飛鳥時代(白鳳期)または奈良時代・7または8世紀
銅 鋳造製 像高:315.3cm
奈良・薬師寺蔵


日光菩薩と対照的に、左脚に重心を置き、右脚を遊ばせる支脚遊脚の姿勢をとり、上体を右に、頭を左に傾けて絶妙な運動感を示します。こうした動きはインドのグプタ彫刻に端を発し、中国の初唐彫刻を経て日本に伝わりました。
聖観音菩薩立像
(c)飛鳥園
聖観音菩薩立像
(c)飛鳥園
  国宝 聖観音菩薩立像
飛鳥時代(白鳳期)または奈良時代・7または8世紀
銅 鋳造製 像高:188.9cm
奈良・薬師寺蔵


吉備内親王が養老年間(717~724)に建立した東禅院の後身である東院堂の本尊です。金堂の日光・月光菩薩立像と同様にみずみずしい体躯や、薄くて軽い衣の自然な表現などに特色があります。日本古代を代表する彫刻の名宝で、制作時期については飛鳥時代の白鳳期、奈良時代の前半の両説があります。
八幡神と仏教
今日、神と仏の関係は希薄ですが、江戸時代までは神社と寺院が隣接する、あるいは神社の中に寺院があるという状況が当たり前でした。両者が関係をもつのは8世紀のことで、特に八幡神は積極的でした。八幡神が史料に現れるのは天平9年(737)のことです。その直後、九州で藤原広嗣の反乱が起き、聖武天皇が鎮圧を八幡神に祈ると、乱はまもなく治まりました。八幡神は、聖武天皇が発願した大仏の造像にも協力の意思を表わし、奈良に赴き大仏を礼拝します。以後も八幡神は国や仏教と深い関係をもち、平安京の守護や寺院の鎮守として勧請されました。薬師寺に勧請されたのは9世紀末のことです。多くの八幡神像が僧形で表わされていますが、それも仏教との関わりの深さゆえと考えられます。
板絵神像
(c)株式会社宇佐美松鶴堂
  重要文化財 板絵神像
堯儼筆 鎌倉時代・永仁3年(1295)
奈良・薬師寺蔵


 休ヶ岡八幡宮社殿の6面の障子に描かれた、22体の男女神像です。裏の銘文によると、それまでのものが傷んだため、新たに絵師堯儼(ぎょうげん)が描いたといわれます。ふくよかな女神や威厳ある男神の表情のほか、像背後に描かれた樹木にもご注目下さい。
仲津姫命 僧形八幡神 神功皇后
国宝 八幡三神坐像
仲津姫命

平安時代・9世紀
像高:36.8cm
奈良・薬師寺蔵
国宝 八幡三神坐像
僧形八幡神

平安時代・9世紀
像高:38.8cm
奈良・薬師寺蔵
国宝 八幡三神坐像
神功皇后

平安時代・9世紀
像高:33.9cm
奈良・薬師寺蔵
   薬師寺の鎮守休ヶ岡八幡宮に祀られていました。薬師寺に八幡神が勧請されたのは9世紀末と伝えられています。この像も小像ながら堂々とした体や、自在に彫られる衣文表現などからその頃に造られたと考えられます。衣に施された文様の美しさが目をひきます。
第2章 草創期の薬師寺
薬師寺の歴史
薬師寺は、天武天皇が皇后の病気平癒を祈願して天武天皇9年(680)藤原京の地で建立を発願したのが草創です。造営の経過については『日本書紀』に記録がみえず不明ですが、持統天皇2年(688)に法会、同11年(697)には仏像の開眼供養の記載があり、7世紀末には完成したことが知られます。ところがそれからまもない和銅3年(710)に都が平城京に遷されると、薬師寺も移転しました。奈良市西ノ京にある現在の境内です。中門の両側から伸びる回廊が講堂につながり、その内側、金堂を中心に東西に三重塔を備える伽藍配置は薬師寺式と呼ばれる独特のものです。天皇が建立した官大寺であり、国家の安寧を祈るのが最も重要な役割でした。
三彩多嘴壺   三彩多嘴壺
奈良時代・8世紀 薬師寺東院出土
奈良・薬師寺蔵


卵形の胴部に大きく開く脚がつき、肩部には4箇所に小口頸をつけますが、小口頸と頸部以上は復原です。外面には緑釉を網目状に施し、交点に小さく褐釉を施しています。多嘴壺としては大型で、釉薬の発色もよく、奈良三彩の優品といえます。
塑造人物像頭部   塑造人物像頭部
飛鳥時代(白鳳期)・7世紀 伝本薬師寺出土
奈良・薬師寺蔵


藤原京で創建された薬師寺は、平城遷都に伴って現在地に遷されました。この頭部は藤原京の薬師寺跡から出土した土製の彫刻です。写実的な表現で、ペルシャなど西方のいわゆる胡人を表わしたものと思われ、類例のない貴重な作品です。
第3章 玄奘三蔵と慈恩大師
慈恩大師について
玄奘三蔵(602~664)は西遊記に登場する三蔵法師ですが、苦難の旅を続けて仏教のふるさとインドにわたり、645年の帰国の時には膨大な数の仏典などをインドからもたらしました。その中に法相宗の根本経典である『瑜伽師地論(ゆがしじろん)』が含まれており、玄奘はこれを漢訳します。日本の法相宗では玄奘を中国の法相宗の始祖としています。慈恩大師(632~682)は玄奘の弟子で、法相宗で重要な経典に関する論や注釈書を多数著わしてその興隆に努めたことから、日本では中国における法相宗の宗祖として尊敬し、命日の11月13日夜に毎年、慈恩会が開催されています。慈恩会は、現在、興福寺と薬師寺が一年交代で行いますが、慈恩大師の画像が掛けられ、講経論談が行われます。
慈恩大師像   国宝 慈恩大師像
平安時代・11世紀
奈良・薬師寺蔵


康平4年(1061)から始まる薬師寺慈恩会の本尊として制作されたと考えられます。慈恩大師の画像としては現存最古です。慈恩大師は唐の都・長安で51歳で亡くなりましたが、容貌は魁偉、身長8尺、気宇広大であったとされ、その特色がよく表現されています。
第4章 国宝 吉祥天像
吉祥天について
吉祥天は、古代インド神話に登場する幸運と美の女神ラクシュミーのことで、仏教に取り込まれ、福徳の神として篤く信仰されています。奈良時代には吉祥天を本尊として天下太平、五穀豊穣を祈る吉祥悔過会という法会が諸国で行なわれ、その後も美しい女神として人気を集めました。この画像は、確実な記録がなくその成立や伝来については不明な点もありますが、薬師寺の吉祥悔過会の本尊としてつくられたと考えられています。
その精緻でふくよかな美しさとともに、表現内容には盛唐時代の絵画のさまざまな要素が凝縮されており、それらが一体となって大きな魅力となっています。数少ない奈良時代の絵画の名品です。
国宝 吉祥天像   国宝 吉祥天像
奈良時代・8世紀
奈良・薬師寺蔵


 吉祥天は、古代インド神話の女神ラクシュミーのことで、仏教では福徳の神として信仰されました。本画像はその精緻な美しさとともに、表現内容に見られる盛唐絵画のさまざまな要素が大きな魅力となっています。