TOP
 >> 展示
 >> 陽明文庫創立70周年記念特別展「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」

陽明文庫創立70周年記念特別展「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」

陽明文庫創立70周年記念特別展「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」 / 平成館 特別展示室   2008年1月2日(水) ~ 2008年2月24日(日)

  
国宝 御堂関白記(部分) 藤原道長筆 平安時代・11世紀 京都・陽明文庫蔵

 陽明文庫創立70周年を記念して企画された本展覧会では、現在陽明文庫に所蔵される作品、近世まで近衞家に伝来した作品、加えて江戸中期の当主で、博学、多芸多才で知られる家熙(予楽院)が学書の手本にした作品などから、とくに選りすぐりの優品を一堂に集めてご覧いただきます。宮廷貴族による王朝文化から生み出された作品を通して、そのみやびな世界をご堪能ください。

展示作品一覧へ

開催概要
会  期 2008年1月2日(水)~2月24日(日)
会  場 東京国立博物館 平成館 (上野公園)
開館時間 9:30~17:00 (入館は閉館の30分前まで)
休館日 月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は開館、翌火曜日休館)
観覧料金 一般1400円(1100円/1000円)、大学生・高校生900円(700円/600円)
中学生以下無料
( )内は前売り/20名以上の団体料金
障害者とその介護者一名は無料です。入館の際に障害者手帳などをご提示ください。
前売券は電子チケットぴあ、ローソンチケット、CNプレイガイド、JR東日本の主なみどりの窓口・びゅうプラザ、セブンイレブン、サークルK 、サンクス、JTB、イープラス、および東京国立博物館 正門観覧券売場(開館日のみ)にて、2007年9月22日(土)から2008年1月1日(火・祝)まで販売。
東京国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生の方は、当日券を700円(200円割引)でお求めいただけます。正門観覧券売場(窓口)にて、キャンパスメンバーズ会員の学生であることをお申し出いただき、学生証をご提示下さい。
陽明文庫創立70周年記念特別展「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」 会期終了後の2008年2月26日(火)~3月16日(日)まで、本特別展半券を当館正門 観覧券売場にてご提示いただければ、当館平常展を半額の割引料金でご覧いただけます。
交  通 JR上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線 上野駅、千代田線 根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分
主  催 東京国立博物館、財団法人陽明文庫、NHK、NHKプロモーション
後援 文化庁
協賛 日本写真印刷、三井住友海上火災保険
カタログ・音声ガイド 展覧会カタログ(2400円。カラー図版・釈文・解説などを掲載)は、平成館2階会場内、および本館地下ミュージアムショップにて販売しています。(会期終了後は、本館地下ミュージアムショップにて販売しています。)
音声ガイド(日本語のみ)は500円でご利用いただけます。
お問い合わせ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
展覧会サイト http://www.nhk-p.co.jp/tenran/konoe/index.html
展覧会公式サイトは会期終了時をもって終了いたしました。
関連事業
連続講座「近衞家と陽明文庫-公家文化一千年をひもとく-」
  平成館 大講堂 2008年1月12日(土)~2006年1月14日(月・祝) 受付終了
2005年から東京国立博物館の研究員が2年にわたり陽明文庫の調査を行いました。調査に携わった研究員たちが歴史の表舞台を歩んだ近衞家の人々と彼らが愛した書跡、絵画、工芸について語る、3日間の連続講座です。
記念講演会「近衞家・陽明文庫について」
平成館 大講堂 2008年2月2日(土) 13:30~15:00受付終了

講師:財団法人陽明文庫 理事 文庫長 名和 修 氏
ファミリーワークショップ「唐紙を摺って散らし書きに挑戦! オリジナルカレンダーを作ろう」
表慶館 創作の間
(1)2008年1月 5日(土) 10:00~12:00(受付開始 9:45) 受付終了
(2)2008年1月20日(日) 10:00~12:00(受付開始 9:45) 受付終了
一般向けワークショップ「古筆の魅力を体験! 唐紙摺りと散らし書き」
表慶館 創作の間
(1)2008年1月 5日(土) 14:00~16:00(受付開始 13:45) 受付終了
(2)2008年1月20日(日) 14:00~16:00(受付開始 13:45) 受付終了
「よみがえる宮廷音楽」~天平楽府コンサート~
平成館 大講堂 2008年1月26日(土) 13:30~15:00 (開場13:00) 受付終了
出演:天平楽府(てんぴょうがふ)
展覧会の構成と主な展示作品
第1章 宮廷貴族の生活
 宮廷貴族には、教養として漢籍や和歌の素養、さらに能書や音楽・管弦の才も求められました。ここでは、王朝のみやびな生活や信仰・文化を展望します。
道長自筆の「御堂関白記」(国宝)をはじめとする公家日記は、今日のいわゆる日記と異なり、それぞれの家において、親から子へ、子から孫へと相伝し、公卿の各家において百科事典ともなる極めて重要なもので、貴族の生活・儀式・社会情勢などを知ることができます。また、近衞家は皇室とも深いかかわりがあることから、歴代の天皇の多くの筆跡が伝えられおり、近衞家当主の能書の作品とともににご覧いただきます。
御堂関白記   国宝 御堂関白記 (みどうかんぱくき)
藤原道長筆
平安時代・11世紀
京都・陽明文庫蔵


 「御堂関白記」は、藤原氏の摂関政治の全盛期に活躍した藤原道長の日記です。20年あまりの記録が現存しており、本展に出品の巻はその自筆です。金峯山での埋経供養、および摂政頼通家の屏風を藤原行成が清書したことなどを記録しています。
金銅経筒(藤原道長埋納)   国宝 金銅経筒(藤原道長埋納) (こんどうきょうづつ ふじわらのみちながまいのう)
平安時代・寛弘4年(1007)
奈良・金峯神社蔵


 寛弘4年、藤原道長が金峯山に参詣し、法華経などの経巻を山頂に埋納したときに、それを入れた経筒です。埋経の経筒としては最古の遺品であり、納めた趣意が500字にわたって線刻で記されています。
藤原鎌足像   藤原鎌足像 (ふじわらのかまたりぞう)
室町時代・15~16世紀
京都・陽明文庫蔵


 近衛家の遠祖にあたる藤原鎌足を神格化したもので、奈良・多武峯談山神社の祭神、談山権現の礼拝を目的として描かれました。向かって右は鎌足の長男で入唐僧の定惠、左は次男不比等をあらわしています。背景の松と一体化した藤は、藤原家を象徴しています。このような三尊形式の神像を「多武峯曼荼羅」と呼んでいます。
春日鹿曼荼羅図   重要文化財 春日鹿曼荼羅図 (かすがしかまんだらず)
鎌倉時代・13世紀
京都・陽明文庫蔵


 藤原家の氏神である春日明神が、神鹿に乗って奈良・春日へ影向(ようごう)したという伝説に基づいて描かれたものです。神の使いである鹿の背で神籬(ひもろぎ)が揺れることによって象徴的に神の出現を示しています。写実的な鹿の描写や遠景にみる自然描写など、最古の鹿曼荼羅図として貴重です。
第2章 近世の近衞家
 近衞前久は激動の戦国時代を経て、天下統一の事業に深く関わりました。
その子信尹は、近世初期の最も優れた能書として、寛永の三筆と称された一人です。後陽成天皇の第4皇子で、信尹の甥にあたる信尋は、後水尾天皇のもとで寛永期の学問芸術の振興に大いに貢献し、宮中と文芸家との仲介的存在でもありました。基熙は和歌 を好み、書や画に秀で、朝儀に関わる勘例などの研究にも携わりました。以後、こうした学問・諸芸の伝統は、歴代によって発展継承されています。
一座之詩歌   重要美術品 一座之詩歌 (いちざのしいか)
後陽成天皇・近衞前久・近衞信尹筆
安土桃山~江戸時代・16~17世紀
京都・陽明文庫蔵


 金銀泥で雲・霞・草花などの下絵を描いた華麗な料紙10枚に、後陽成天皇、近衞前久・信尹が合筆した「和漢朗詠集」「新古今和歌集」「新撰朗詠集」などの詩句や歌を収めており、それぞれの書風の特徴がうかがえます。
瀟湘八景図色紙帖   瀟湘八景図色紙帖 (しょうしょうはっけいずしきしじょう)
和歌:近衞基熙筆 画:狩野常信筆
江戸時代・18世紀
京都・陽明文庫蔵


 中国湖南省の瀟湘の景勝八カ所は、古来、画題として愛好され、日本でも絵画だけでなく漢詩や和歌などにもとりあげられました。当代の画壇に君臨した幕府の御用絵師常信が気品ある山水図を描き、東山天皇の御世に朝廷と幕府との関係を密にした基熙が八景を詠います。
第3~4章 家熙の世界
 予楽院と号した21代の家熙は、幼い頃に父基熙より薫陶をうけ、さらに生来の資質もあって、書画など伝統的諸道に優れた才能を発揮しました。長じて学問を好み、茶道、華道、香道にも精通して、当時の宮廷文化の第一人者でした。その博学多識ぶりは、家熙の言行を筆録した侍医山科道安の「槐記(かいき)」にうかがえます。また近衞家や他所に伝来した空海、小野道風など名筆の臨書を通して研究を行い、独自の書風を樹立しました。近衞家歴代が作成、収集した数々の宝物を分類・整理し、表装するなど、陽明文庫の基盤をつくりあげた人物です。
臨書手鑑   予楽院臨書手鑑のうち「本阿弥切」 (よらくいん りんしょてかがみのうち ほんあみぎれ)
近衞家熙臨
江戸時代・17-18世紀
京都・陽明文庫蔵


 近衞家歴代の当主信尹・信尋らと同様、家熙もまた和様の能書で知られています。これは、その青年期に臨書、模写したものを集成した手鑑です。近衞家伝来の国宝の「大手鑑」所収の「室町切」などの名筆の臨書が所収されています。
春日権現霊験記絵巻   春日権現霊験記絵巻 (かすがごんげんれいげんきえまき)
詞書:近衞家熙筆 画:渡辺始興筆
江戸時代・享保20年(1735)
京都・陽明文庫蔵
[巻第三・四・五:1月27日(日)まで展示]
[巻第四・十二・十五:1月29日(火)から展示]


 現在、宮内庁三の丸尚蔵館所蔵で、藤原氏の氏神春日明神の霊験奇瑞をあらわした鎌倉時代の代表的絵巻の模本です。家熙の命により始興が3年の月日をかけて模写し、詞書は家熙が自ら清書しました。江戸時代の最も優れた絵巻のひとつといっても過言ではありません。
花木真写   花木真写(部分) (かぼくしんしゃ)
近衞家熙筆
江戸時代・18世紀
京都・陽明文庫蔵


 125種もの植物のかたちが正確に描き出されています。近衞家歴代のなかでも、近世文芸に大きな足跡を残した家熙の世界観の一面をあらわす一品です。事物の写実的な表現を絵画に持ち込み、広く世にみせたのは後の応挙ですが、この花木真写が先駆けとなっています。
第5~6章 伝世の品
 近衞家に伝世した品々は、「倭漢抄」(国宝)「大手鑑」(国宝)をはじめとする古筆、「熊野懐紙」(国宝)や明恵の「書状」(重要文化財)などの名筆などがよく知られています。  ほかにも、お茶をよくした江戸時代中期の当主家熙関係の茶道具、あるいは蒔絵の香道具、青磁の花生(銘 千声 重要文化財)、備前宇甘派の刀工雲生の太刀(重要文化財)、酒井抱一の屏風などの絵画作品、加えて御所人形や加茂人形、銀細工の雛道具、表具のために集められた染織品など、多数の優品があります。この機会に、書跡の名品に加えて、工芸・絵画の作品もご堪能ください。
倭漢抄   国宝 倭漢抄 下巻 (部分) (わかんしょう)
伝藤原行成筆
平安時代・11世紀
京都・陽明文庫蔵


 胡粉を膠の溶液で溶いて刷毛で引き染めにし、二重丸獅子唐草・鳳凰唐草・亀甲などを雲母摺りした唐紙や蝋箋を用いた華麗な料紙に『和歌朗詠集』を書写したものです。明るく流動美に溢れた書風で揮毫されており、平安朝を代表する古筆遺品です。
熊野懐紙   国宝 熊野懐紙「深山紅葉・海辺冬月」 (くまのかいし)
後鳥羽上皇筆
鎌倉時代・建仁元年(1201)
京都・陽明文庫蔵


 後鳥羽上皇は熊野三山を篤く信仰し、生涯に28度の熊野詣をされました。その途次の宿所とした王子(熊野三権現の分霊を祀る末社)で、供奉する廷臣たちと当座の歌会を行いました。これは、建仁元年(1201)10月9日藤代王子での懐紙で、上皇22歳の筆です。
太刀 銘 備前国宇甘郷雲生 八幡大菩薩   重要文化財 太刀 銘 備前国宇甘郷雲生/八幡大菩薩 (たち めい びぜんのくにうかいのごううんしょう/はちまんだいぼさつ)
鎌倉時代・13世紀
京都・陽明文庫蔵


 雲生は備前国宇甘郷に居住した鎌倉時代末期の刀工で、同時代の長船派などの備前刀工とは作風を異にしています。この太刀は、小板目の鍛えに中直刃の穏やかな刃文で、雲生の特色が示されています。近衞家の家紋「近衞牡丹」をあらわした糸巻太刀拵が付属します。
太刀 銘 備前国宇甘郷雲生 八幡大菩薩の拵   平目地牡丹紋蒔絵糸巻太刀拵(太刀 銘 備前国宇甘郷雲生/八幡大菩薩の拵)
江戸時代・18世紀
京都・陽明文庫蔵
青磁鳳凰耳花生   重要文化財 青磁鳳凰耳花生 (せいじほうおうみみはないけ)
銘 千声 龍泉窯
中国・南宋時代・13世紀
京都・陽明文庫蔵


 粉青色の釉が美しい砧青磁花生の代表作の一つです。「千声」の銘は、砧で布を打つ止むことなく響く音を千声万声と形容した詩句に由来しており、「万声」(国宝、和泉市久保惣記念美術館蔵)とともに後西天皇によって名づけられました。
御所人形   御所人形 見立大名行列 (ごしょにんぎょう みたてだいみょうぎょうれつ)
江戸時代・19世紀
京都・陽明文庫蔵


 御所人形は、江戸時代に天皇や公家が返礼の品として用いました。赤子の様に頭が大きく白くて丸々とした姿には、子宝に向けられたみやこびとの愛情が感じられます。この人形は台傘と立傘を小脇に抱え、大名行列に見立てられています。
四季花鳥図屏風   四季花鳥図屏風 (しきかちょうずびょうぶ)
酒井抱一筆
江戸時代・文化13年(1816)
京都・陽明文庫蔵


 光琳を慕った抱一のもっとも気品ある屏風絵のひとつです。小川の流れる野辺に四季の草花がひとつひとつ丹念に彩られています。金地を背景に、植物も白鷺の舞う姿もまるで凍りついたように平面的に形作られることで、極めて気高い趣を醸し出しています。