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日本に将来された蒟醤と紅安南

  • 『重要美術品 五彩唐草文碗 ベトナム 16世紀』の画像

    重要美術品 五彩唐草文碗 ベトナム 16世紀

    東洋館 第3室
    2008年5月8日(木) ~ 2008年7月27日(日)

     今回の特集陳列では、江戸時代の日本に伝えられ、茶の湯の世界で好まれた東南アジアの漆器と陶磁器をご紹介します。

      タイの漆器、「蒟醤(きんま)」の名はタイ語の「キンマーク」という言葉に由来します。「キンマーク」とは、檳椰樹(びんろうじゅ)(タイ語で「マー ク」)の実と石灰をまぜ、蔓草の葉に巻いて噛む(タイ語で「キン」)という東南アジアの風習を指す言葉です。「蒟醤」は、江戸時代、貿易品として日本に運ばれ、茶入や菓子器などに用いられました。

      また、同じ頃、茶人たちが親しんだ東南アジアのやきものに、ベトナムの五彩があります。赤茶色をした陶土に白釉をかけ、唐花草や鹿や牛、鳥などの文様を手馴れた筆使いで描くやきもので、日本では「紅安南(べにあんなん)」と呼ばれました。いわゆる唐物や高麗物とは異なる魅力が感じられるでしょう。

      「蒟醤」や「紅安南」など、日本独自の茶の湯の世界で好まれた東南アジアの工芸品をお楽しみ頂ければ幸いです。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
水禽蒟醤箱 タイ 16~17世紀
重要美術品 五彩唐草文碗 ベトナム 16世紀