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海外の日本美術品の修復

  • 『多武峯維摩会本尊図(修理前) 鎌倉~南北朝時代・14世紀 アメリカ・キンベル美術館蔵』の画像

    多武峯維摩会本尊図(修理前) 鎌倉~南北朝時代・14世紀 アメリカ・キンベル美術館蔵

    平成館 企画展示室
    2008年5月13日(火) ~ 2008年5月25日(日)

     海外に所在する日本の古美術品は、日本文化を紹介する文化大使ともいうべき役割を担っています。しかしながらその中には、気候風土の違いなどから損傷が進み、公開に支障をきたしているものも少なくありません。

      そのため、海外の美術館・博物館が所蔵する上記の絵画作品を対象として、文化庁は平成3年(1991)に「在外日本古美術品保存修復協力事業」を開始しました。その後、平成9年度(1997)からは絵画作品に加えて工芸品にも対象を拡げるとともに、平成13年度(2001)からは、東京文化財研究所が事 業主体となってこれを推進しております。また、平成18年度(2006)からはドイツに漆工芸品の修復工房を開設し、日本から専門家を派遣して修復を行っています。これまでに協力した海外の美術館・博物館の数は48館、修復作品は332点となりました。

      今回の展示は、海外での修復が難しいため、日本へ里帰りさせて、国内の工房で平成19年(2007)度末に修復が完了した作品のうち、絵画5件と工芸品2件を公開いたします。この展示を通じ、東京文化財研究所の国際貢献・協力の一端をご理解いただければ幸いです。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
日吉山王祭礼図屏風 江戸時代・17世紀 アメリカ・ヒューストン美術館蔵
多武峯維摩会本尊図 鎌倉~南北朝時代・14世紀 アメリカ・キンベル美術館蔵
花卉螺鈿ライティングビューロー 江戸時代・19世紀 ポーランド・クラクフ国立博物館(日本美術技術センターマングアアコレクション)蔵