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絵巻―模本が伝える失われた姿

  • 『大山寺縁起絵巻(模本) 巻1(部分) 堀端文蔵 他筆 江戸時代・天保2年(1831) 原本=了阿筆 室町時代・応永5年(1398)』の画像

    大山寺縁起絵巻(模本) 巻1(部分) 堀端文蔵 他筆 江戸時代・天保2年(1831)
    原本=了阿筆 室町時代・応永5年(1398)

    本館 特別1室
    2008年3月11日(火) ~ 2008年4月6日(日)

     王朝貴族の恋物語、歴史上の著名な合戦、寺社の由来、高僧(こうそう)の生涯、世俗的なものから宗教的なものまでさまざまな物語を、文章とそれに対応する絵で構成した絵巻物は、平安時代以降、やまと絵の発達とともにさまざまな展開を遂げ、多くの作品が作られてきました。それらの中には様々な理由で、全てあるいは一部が消失してしまったものもあります。

      しかし、後世の画家による模本(絵画技術の学習や記録、制作のための参考などのためにつくられた模写)が残されている場合は、その模本を通じて、そうした失われた絵巻の世界に思いを馳せることができます。

      この展示は、こうした失われた絵巻の模本を集めてご覧いただきます。模本というと一段低く見られがちですが、文化財を伝えるという観点からは、とても貴重な存在です。失われた絵巻の世界とともに、模本という独特の世界もお楽しみください。
主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
天狗草紙 興福寺巻(模本) 狩野晴川院養信筆 江戸時代・文化14年(1817) <原本=筆者不詳 鎌倉時代・永仁4年(1296)>
大山寺縁起絵巻(模本) 巻1 堀端文蔵 他筆 江戸時代・天保2年(1831) <原本=了阿筆 室町時代・応永5年(1398)>