本館 特別1室・特別2室
2007年1月2日(火) ~ 2007年1月28日(日)
もういくつ寝るとお正月。そんな歌が聞こえてくる時期になりました。当館では毎年正月にちなんだ特集陳列をしていますが、今年は干支の亥(猪)と正月の風物に関連した作品を展示します。
日本の美術で猪を表わした作品は決して多くありません。当館の普段の展示でもあまり見かけないのではないではないでしょうか。また、猪といえば猛進を連想しますが、それが画題に取り上げられることも少ないようです。望月玉泉筆の「岩藤熊萩野猪図屏風」は萩の花の中に寝そべる猪を描きます。江戸時代の円山派や森派の画題である臥猪(ふすい)の影響が見られます。他に埴輪(はにわ)の猪、石川光明作の野猪、猪の毛を使った空穂(うつほ:矢の容器)などを展示します。
さて、正月といえば何を連想しますか。年賀状、書初め、かるた、羽子板、双六(すごろく)、初詣、初夢。どれも馴染みの深いものです。三条西実隆の書状は、淡墨で流麗に揮毫(きごう)された三条西流の書風の年賀状です。昔は今と違って新年になってから年賀状を書きました。尾形光琳筆の「宝船図」、鯛をあらわした袱紗(ふくさ)などの縁起ものも展示します。初夢で、富士・鷹・茄子を見ることができなかった方は、是非お越しください。雄大な富士、勇ましい鷹、愛嬌のある茄子の姿を博物館でみて、今年の運勢をあげてください。