本館 9室
2007年12月26日(水) ~ 2008年2月17日(日)
舞楽は、8世紀末に中国・朝鮮などアジア大陸から流入した、舞を伴う音楽です。奈良時代から平安時代にかけて、宮廷や社寺の儀式の際の音楽(式楽(しきがく))として日本独自の発展を遂げました。その伝統は中世・近世に受け継がれ、主として、公家(くげ)や社寺の年中行事の中で続けられてきました。宮廷文化や社会に関するさまざまな典例を重んじる宮廷では、舞楽装束にも伝統的な様式が色濃く残っています。
舞楽装束は曲目によって次のように分けられます。
また、舞の形態によって大きく3つに分類されます。
その他、「胡蝶(こちょう)」や「迦陵頻(かりょうびん)」など、小さな子どもが舞う愛らしい童舞(どうぶ)があります。
唐楽(とうがく) | : | 中国系の舞楽で「左方」と呼ばれ、装束の色は赤系が基調。 |
高麗楽(こまがく) | : | 朝鮮系の舞楽で「右方」と呼ばれ、装束の色は青系が基調。 |
また、舞の形態によって大きく3つに分類されます。
平舞(ひらまい) | : | 数人で舞う静かな動きの舞で、下襲(したがさね)・半臂(はんぴ)・袍(ほう)を重ね着し、鳥兜(とりかぶと)をかぶった常(つね)装束を着用。 |
武舞(ぶまい) | : | 剣や鉾(ほこ)を持って舞う勇壮な舞で、下級武官の衣装に準じた蛮絵(ばんえ)装束を着用。 |
走舞(はしりまい) | : | 面を掛け活発に舞う舞で、裲襠(りょうとう)という貫頭衣(かんとうい)をつける裲襠装束を着用。 |
その他、「胡蝶(こちょう)」や「迦陵頻(かりょうびん)」など、小さな子どもが舞う愛らしい童舞(どうぶ)があります。
以上のような舞楽の曲目や形態に沿って、中世から近世の舞楽装束を紹介いたします。宮廷文化が育んできた、雅な色と文様の世界をお楽しみください。