東洋館 第3室
2006年9月20日(水) ~ 2006年12月10日(日)
タイ族が中国南部からインドシナ半島の中央部に移動したのは12世紀前後のことといわれ、ほぼ同じころ、タイ中部のシーサッチャナーライにおいて陶磁器の焼造が始まりました。シーサッチャナーライ窯で生産された主な製品には、鉄絵具で釉下に文様を描いた鉄絵、および青磁がありました。窯址の発掘調査によ ると、鉄絵陶器の方が先行して発達し、青磁の完成はやや遅れるとされています。
アユタヤ時代の15世紀から16世紀にかけて貿易がさかんになり、輸出向けの製品が量産されるようになり、その結果、シーサッチャナーライ窯の青磁は、 透明感のある明るい青緑色の釉が施され、力強い彫り文様があらわされるようになりました。このほか、チェンマイ周辺の北方窯においても黄緑色の釉が施され た青磁が生産されています。
今回はこうしたタイの青磁の数々を集めました。その独特な色合いや文様の世界をお楽しみください。