平成館 企画展示室
2007年12月11日(火) ~ 2008年2月3日(日)
山梨県および長野県は縄文文化が隆盛を極めた地域の一つです。特に縄文時代中期は、最も華やかな土器が数多く作られた時期です。中期の特徴としては、土器文様や器形の共通性から、広域に情報伝達がなされていたと考えられることがあげられます。それは、東北南部地域を中心に発展した渦巻文様を主体とする大木(だいぎ)式と呼ばれる土器の影響が、広く関東地域や甲信地域にまで及んだことから裏付けられます。縄文時代中期の関東・甲信地域には、阿玉台(おたまだい)式、加曽利(かそり)E式、勝坂(かつさか)式、曽利(そり)式といった土器が、それぞれに共通の文様をもって広範囲に分布していることがわかっています。各地で互いに影響を及ぼし合いながら様ざまな土器がつくられていました。
今回の特集陳列では、平成19年度考古資料相互貸借事業による長野県立歴史館・山梨県立考古博物館からの借用資料を中心にして、当館で所蔵している東京都多摩地域出土の土器を比較展示し、地域間交流の一端を紹介します。縄文土器の器そのものの美しさや文様の多彩さを是非ご覧ください。