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市河米庵コレクション

  • 『行書陸放翁七絶二首軸 梁同書筆 清時代・嘉慶19年(1814) 市河三鼎寄贈』の画像

    行書陸放翁七絶二首軸 梁同書筆 清時代・嘉慶19年(1814) 市河三鼎寄贈

    東洋館 第8室
    2005年8月2日(火) ~ 2005年10月2日(日)

     幕末の三筆と称され、多くの門弟を擁(よう)した書家、市河米庵(いちかわべいあん:1779~1858) は、書画や骨董(こっとう)の熱心な収蔵家でもありました。その収蔵品は、日本や中国の書画・拓本・古器物・文房具など、広範な分野に及ぶもので、 1000余件を数えたと伝えられています。米庵は晩年、それらの豊富な収蔵品の中から、中国の書画や古器物260余件を精選し、『小山林堂書画文房図録 (しょうざんりんどうしょがぶんぼうずろく)』を上梓(じょうし)しました。各収蔵品については、材質・法量を記し、入手の経緯や作者の考証に及ぶものもあります。

       米庵の収蔵品は、その歿後に散佚(さんいつ)してしまいましたが、ご令息の市河三兼氏が再収集に尽力され、明治33年(1900)、東京帝室博物館(東京国立博物館の前身)に寄贈されました。これより先、米庵が昌平黌(しょうへいこう)に寄託していた書画・拓本類も、ご令孫の市河三鼎氏によって館に寄贈されています。

       今回は、これらの受贈品の中から、同図録に掲載される中国の書画や、硯(すずり)・筆筒(ひっとう)・青銅器など、米庵遺愛の品々を展示いたします。中国の文化に心酔し、「衣を典(てん:質に入れること)し食を損し、百計もてこれを購(あがな)」った米庵コレクションの一斑をご覧ください。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
行書冠詞魯書生軸 呉錫麒筆 清時代・19世紀 市河三鼎氏寄贈
行書陸放翁七絶二首軸 梁同書筆 清時代・嘉慶19年(1814) 市河三鼎氏寄贈