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根来塗-朱漆の美

  • 『朱漆瓶子 室町時代・16世紀』の画像

    朱漆瓶子 室町時代・16世紀

    本館 13室
    2005年9月6日(火) ~ 2005年12月11日(日)

     漆黒という言葉があるように、漆と言えばまず、黒っぽい色を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、古い時代に神社や寺院で用いられた調度や器には、朱漆(しゅうるし)を塗ったものが数多く見受けられます。朱や赤は、洋の東西を問わず、魔除けや神聖な意味合いから宗教的な道具や物に用いられることが多い色です。日本だけでなく中国、東南アジア諸国など、漆の樹が生育する地域一帯には、朱漆を塗った器物を用いる伝統が見られます。

       このようにかつて社寺で用いられた器や調度で、表面に朱漆を塗ったものを「根来塗(ねごろぬり)」とよんでいます。今回はこの根来塗を特集し、展示室に朱色の器物ばかりが並びます。時を経て、こっくりと落ち着いた朱漆の魅力をご堪能下さい。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要文化財 朱漆折敷・けい子 室町時代・長禄元年(1457) 愛知・真清田神社蔵
重要文化財 朱漆三脚盤 南北朝時代・康暦元年(1379) 高知・最御崎寺蔵
朱漆瓶子 室町時代・16世紀