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兜のながれ―古墳から江戸まで―

  • 『重要文化財 紅糸威星兜 南北朝時代・14世紀 文化庁蔵』の画像

    重要文化財 紅糸威星兜 南北朝時代・14世紀 文化庁蔵

    本館 14室
    2005年3月29日(火) ~ 2005年7月3日(日)

     頭を護る兜は、古墳時代以来、さまざまな形式のものが作られました。兜は、冑などとも書き、頭にかぶる半球状の鉢と、その下縁に付けて首を保護するしころからなっています。しころの両端は外側に反らせて吹返(ふきかえし)と呼ばれます。

       平安時代の兜は、衝角付冑(しょうかくつきのかぶと)を基に形作られたと考えられています。鉢は三角形の板を五枚から十数枚程度、星と呼ばれる円錐形の鋲で留めて形成した星鉢です。頂辺(てへん)には髻(もとどり)を出すための孔がありました。室町の頃になると、星に代って頭の平らな鋲を用い、表面の筋が目立つ筋鉢が普及しました。表面の筋の間の数から何間(けん)の星兜とか、筋兜と称されています。桃山から江戸時代には、簡素な鉢に毛を貼ったり、各種の立物(たてもの)を立てたり、山岳・動物・魚介・器物などさまざまな形を紙などで張懸(はりかけ)とした当世兜(とうせいかぶと)が数多く製作されました。江戸時代後期には、中世の兜を手本とする復古的な兜が製作されるようになり、現在の五月人形の兜にその形を伝えています。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
白糸威一の谷形兜 桃山~江戸時代・17世紀
重要文化財 紅糸威星兜 南北朝時代・14世紀 文化庁蔵