本館 特別1室
2005年8月9日(火) ~ 2005年9月25日(日)
古来「書は人なり」という言葉があります。中でも書状-手紙-は、筆者の個人的な私信でもあり、個性が良く反映されます。この特集陳列では、平安~江戸時代までに活躍した天皇・公家・学者・茶人・画家など各分野の著名人の書状を中心に展示します。また中世において書状を認める際、現代の我々が手紙を書く場合と同様にマニュアルが存在しました。弘安8年(1285)に亀山上皇 (1249~1305)が編纂を命じて作成された「弘安礼節(こうあんれいせつ)」と呼ばれる書札礼(しょさつれい)は手紙を書く上での約束事を記したもので、後世でも公家・武家・僧の各界で伝統的に守り続けられます。こうしたルールに則りつつ、いかに自分の個性を表現するかが、能書(のうしょ)の技量の見せどころでもありました。書状に綴られた古人の「技と思い」を感じ取ってください。