平成館 企画展示室
2018年11月6日(火) ~ 2018年12月25日(火)
愛媛県松山市と徳島県徳島市は、古くから瀬戸内海を介して近畿や九州と密接に交流し、それぞれ独自の文化を育んできた。本特集では、縄文時代から古代までの両地域の特徴を物語る選りすぐりの考古資料を展示する。
まず、はじめに縄文時代から弥生時代にかけて移り変わる祭祀の様相をたどり、縄文時代晩期後半に稲作が伝わることで生じた生活や文化の変化を紹介する。
つづく古墳時代では、古墳の副葬品にヤマト(倭)王権や朝鮮半島との関係性が色濃く表れてくる。横穴式石室から出土する須恵器は死者との別れに際し食物を供えたものと考えられ、「古事記」にみられる黄泉(よみ)の国の思想へつながったといわれる葬送儀礼の様子をよく伝えている。
飛鳥時代以降、国家としての仕組みが整うと、地方でも行政を中心に文字が使われるようになる。中央の影響を受けた模様の軒瓦が寺院などで用いられ、儀礼で使われる密教法具なども現地で生産されるなど、多彩な仏教文化の展開がみられるようになる。
本特集では、平成30年度考古資料相互貸借事業によって、松山市考古館と徳島市立考古資料館からお借りした所蔵品が語る歴史に触れていただきたい。