平成館 企画展示室
2017年3月22日(水) ~ 2017年4月16日(日)
当館では、文化財の公開と保存を両立し、未来へと伝えるため、以下の3つを柱とする臨床保存の理念のもと、保存修復事業を行なっています。それは、収蔵庫・展示室などの環境を整備する「予防」、文化財の状態および展示室や収蔵庫の環境に関する「診断」、折れの緩和や剥落(はくらく)止めなどの応急的な対症修理から、解体を伴う本格修理まで、状況に応じた「修理」の3つからなります。
本特集では、近年「修理」を終えた作品を展示し、当館の保存修復事業の成果の一端をご覧いただきます。それぞれの修理のポイントや工程、その過程で得られた情報をあわせて紹介する企画で、今年度で17回目を迎えました。今回は絵画、工芸、考古、歴史資料の分野から本格修理を行なった作品14件、絵画、彫刻、染織から対症修理を行なった作品4件、計18件を展示いたします。
文化財の保存と公開に携わる当館の取り組みや文化財の修理に関心をお持ちいただき、それらを介して文化財とその背後にある文化や歴史についての理解を深める一助となれば幸いです。
展示作品の修理に関わった個人・工房などは次のとおりです。
国宝修理装潢師連盟、(株)小西美術工藝社、高山一之、東京修復保存センター TRCC、陶磁器修復たま工房、(株)東都文化財保存研究所、(株)半田九清堂、繭山隆司、(有)武蔵野文化財修復研究所 (敬称略、五十音順)
東京国立博物館保存修復課保存修復室アソシエイトフェロー 平河智恵、下田純平、野中昭美