平成館 企画展示室
2015年7月7日(火) ~ 2015年8月30日(日)
イエスキリストの母マリアは、聖母として信仰されています。16世紀半ばに日本で布教を始めたイエズス会や托鉢修道会(フランシスコ会、ドミニコ会)は聖母マリアへの信仰が篤いことで知られるカトリック教会の会派です。そのため、日本でもキリストの教えとともにマリア信仰が広まりました。当館が所蔵するキリシタン関係遺品の中にも聖母マリアへの信仰を示すものが数多くあります。例えば、幼いイエスを抱く聖母マリアが描かれた絵画、銅版画、メダイは宣教師が布教に用いたものです。特にメダイは、制作年代により異なる聖母マリアの姿を見ることができます。
キリスト教禁止令が出された後、キリスト教信者かどうか確かめるため人々に踏ませた踏絵にも、聖母マリアの姿が表わされたものがあります。また、潜伏する信者たちは観音像を聖母マリアに見立て、祈りをささげました。これは日本独自のマリア信仰を伝えるものと言えるでしょう。