本館 19室
2015年4月7日(火) ~ 2015年9月23日(水・祝)
この絵はどうして光り輝いているのでしょうか?
「悉皆金色(しっかいこんじき)」とは仏様の全身が金色に光り輝くことをいい、悟りをひらいた後の様子を表現しています。
このような様子を表すために、仏様を描いた絵画では、金泥(きんでい)を塗った上にさらに細かく切った金箔(きんぱく)を膠(にかわ)で貼り、文様などを表現する技法が使われています。
今回題材とした《阿弥陀知来像(あみだによらいぞう)》は、鎌倉時代・14世紀に描かれた作品で、掛軸(かけじく)に仕立てられています。描かれている阿弥陀如来像(あみだによらいぞう)は、制作された当初は全身が金色に光り輝いていたと考えられますが、時代とともにその輝きは失われていきました。
平成22年度に詳細な調査を実施し、可能な限り当時の制作技法にもとづいて忠実に再現しました。
金の強い輝きがどのように生み出されるのかを5つの段階に分けて、制作に用いられた様々な材料と共にご紹介します。
制作:平成22年度東京藝術大学学生ボランティア 武田裕子