本館 特別2室
2015年4月7日(火) ~ 2015年5月17日(日)
陸上で最も大きな動物、象。長い鼻と大きな耳を持ち、ゆったりと歩く姿や鼻を器用に使って木の枝を食べたり水浴びをしたりする姿はとても魅力的で、象は子どもにも大人にも人気の動物です。ひょっとしたら私たちは自分には無い、あの長い鼻にあこがれているのかもしれません。
また象は力持ちでおとなしく賢い動物です。とくに頭がよいといわれるアジアゾウが住んでいるインドやタイなどの南のくにぐにでは、農作業や荷物を運ぶのに象を使いました。象はインドの神話や仏さまのお話にも登場します。そのなかで象は神さまやその使いとして描かれています。そして、象とともに暮らす人びとは象を慕い、象をモチーフに日用品や美術品を作りました。
野生の象がいない日本では人びとは象を見たことがありませんでしたが、外国から伝わった物語や絵をヒントに象のイメージを創り上げました。はじめて、広く一般の人びとが象を見ることができたのは江戸時代のこと。それまで日本人にとって象は想像上の動物だったのです。
「美術のくにの象めぐり」では、アジアのくにぐにと日本で作られた象の美術品を集めました。個性豊かな象たちはどれもなんだか楽しげで今にものっしのっしと歩きだしそうです。そんな美術のくにの象たちのパレードをぜひご覧ください。
この展示は国立科学博物館と恩賜上野動物園と合同で行う国際博物館の日記念事業「ゾウめぐり」(5月17日(日)開催 事前申込制)の関連企画です。今回上野動物園から象の歯、象牙、象笛の材料である牛科の動物の角などをお借りしました。