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これまでの賛助会費支出事業及び購入作品について

平成24年度 賛助会費購入作品

重要美術品 葡萄図(ぶどうず) 没倫紹等筆 室町時代・延徳3年(1491)

葡萄図

  作者の没倫紹等(もつりんじょうとう)は、室町時代の著名な禅僧、一休宗純の弟子です。一休没後に、京都の大徳寺では、一休を開祖とする塔頭、真珠庵が再興されますが、没倫紹等はその初代住持となっています。
没倫は墨斎、止濼、拾堕などと号し、一休同様、水墨画にも絵筆を振るいました。今も真珠庵には、没倫が粗放な筆致で描いた「溌墨山水図」(重要文化財)が伝わっています。
没倫自ら本図に書き付けた賛によると、今年の秋は十日も風雨が続いたが、葡萄棚は傾くこともなく多くの実をつけたといいます。そこには、身近な題材を飾らない朴訥とした筆づかいで描く本図の、生活と密着した即興的な制作背景を読み取ることができます。また描かれた年は、賛の年記から没倫の没年の前年、真珠庵が再興された延徳3年であることがわかります。
墨で葡萄を描く「墨葡萄」は、中国で文人の墨戯として宋時代の末に始まり、日本には鎌倉時代に作品がもたらされていたようです。しかしながら、中世の作例は非常に少なく、本図はたいへん貴重な遺品となっています。

 

赤壁賦(せきへきのふ) 本阿弥光悦筆 江戸時代・17世紀

赤壁賦

光悦は京都で刀剣の鑑定を家職とする本阿弥家に生まれました。能書として当時から高名で、近衛信尹・松花堂昭乗とともに近世初期を代表する書家です。後年には洛北・鷹ヶ峯に隠棲し、陶器や漆工の制作に専念しました。
この作品は、胡粉を刷いた料紙に、蘇軾の「前赤壁賦」「後赤壁賦」を、やや淡墨で真行草と書体を自在に変化させながら書かれています。光悦の書は装飾料紙に絵画と調和的に書かれた作品が一般に著名ですが、本作は真行草の三体を巧みに書き分けた純然たる書作品で、類例が少ないだけでなく、その書風は和様とともに中国の書も消化し、きわめて秀逸です。
巻頭に「道正庵」「徳幽」の印があり、京都にあった曹洞宗寺院道正庵の住職徳幽卜順の手元にあったことが知られています。

 

 

平成23年度 賛助会費購入作品

蔬菜図(そさいず) 狩野秀頼筆 室町時代・16世紀

蔬菜図

  作者の狩野秀頼は、狩野派の二代、元信の次男です。生没年は不詳ですが、永正16年(1519)以前に生まれ、天正4年(1576)頃まで存命したとみら れます。若いころ京都の東寺の仏画制作を担っていた本郷家の養子となりましたが、狩野本家に呼び戻されています。
秀頼は当館所蔵の国宝「観楓図屏風」で知られる画家ですが、遺品はきわめて少なく、8点ほどが知られています。その多くは濃彩の人物画です。
この作品は、秀頼の遺品としてはこれまでに知られていなかった水墨の花鳥図で、茄子とマメ科の植物が描かれています。疏菜図は、中国の宋時代に水墨の技法 で文人たちが、身近な題材である野菜を描き始めたことに始まる、文人画的な主題です。牧谿をはじめ、中国の画家による疏菜図が古くから日本にもたらされて いたようですが、室町時代の疏菜図の作例は少なく、その意味でも本図は貴重な遺品です。

 

 

鶺鴒図(せきれいず) 室町時代・16世紀

鶺鴒図

 

実をつけたタデの生える水辺で、遠くを見つめてたたずむ鶺鴒が描かれています。
落款印章はありませんが、岩や地面の描き方から、作者は初期狩野派の絵師と推定できます。狩野派は、初祖、正信が室町幕府将軍足利義政の御用をつとめた頃から都の画壇に頭角を現します。
この作品は、鶺鴒の非常に精緻な描き方が、狩野派二代、元信とその一派の手がけた京都・大徳寺塔頭、大仙院の障壁画「四季花鳥図」(重要文化財)に匹敵する質の高さを示しています。
これらのことから、本図の作者は、狩野元信(1477~1559)の子弟もしくは門人として16世紀前半に活躍していた画家とみられます。

鶺鴒頭部
(部分)鶺鴒頭部
鶺鴒脚部
(部分)鶺鴒脚部
 

 

平成22年度 賛助会費購入作品

一休宗純墨蹟(いっきゅうそうじゅん ぼくせき) 七言絶句「峯松」
一休宗純筆 室町時代・15世紀

七言絶句「峯松」

「一休さん」として有名な禅僧一休宗純(1394~1481)の書です。
晩年に近い時期の筆と考えられます。

  峯松
萬年大樹摠無倫
葉々枚々翠色新
琴瑟不知誰氏曲
雲和天外奏陽春
峯の松
万年も歳を経た松の大樹のあたりには人もなく
一枚一枚の葉の翠色が新鮮である
聞こえてくる琴の音は誰の曲だろうか
雲が天空と調和して、陽春を奏でている

著名な一休の頓知は後世の作り話ですが、歴史上の一休は、戦乱の拡大する室町時代後期の社会の中で、政治権力や宗教的権威を厳しい言葉で批判するとともに、奇行や破戒を通じて自らが権威となることをも拒絶した、独自の思想を持つ人物でした。
一休の行動が当時の人々に大変強い印象を与えたことは、さまざまな奇行を載せるその伝記や漢詩集『狂雲集』からも明らかです。その毒を含んだ鋭い言葉がよく取り上げられますが、この一幅は、壮大な春の自然の様子を率直に詠んだ一首を記し、一休のまた異なった側面を示しているようです。
 

 

平成21年度 賛助会費支出事業

平成21年度賛助会費については、4年ぶりに当館単独で企画・開催した特別展「染付―藍が彩るアジアの器」の運営等に必要な経費に使用しました。

特別展「染付―藍が彩るアジアの器
会  期: 平成21年(2009)7月14日(火)~9月6日(日)
展示作品: 国内の機関・個人所蔵の中国、ベトナム、朝鮮、日本の染付 181件(うち重要文化財4件、重要美術品1件)
主  催: 東京国立博物館

染付-藍が彩るアジアの器 染付-藍が彩るアジアの器 染付-藍が彩るアジアの器

 

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