このページの本文へ移動

日本の仮面 舞楽面と行道面

  • 『行道面 多聞天 高野山天野社伝来 鎌倉時代・14世紀』の画像

    行道面 多聞天 高野山天野社伝来 鎌倉時代・14世紀

    本館 14室
    2014年3月25日(火) ~ 2014年6月8日(日)

    仮面はそれを着けることによって自分ではない別のものに変身する道具で、世界でさまざまな形のものが作られました。しかし日本ほど古い仮面が数多く残っている国はないでしょう。寺院、神社など信仰の場、五穀豊穣(ごこくほうじょう)等を祈る祭、人々の心を癒(いや)す芸能など様々な場面で用いられました。今も全国の社寺に大切に保存されています。

    ここでは主に平安時代から南北朝時代に作られた仮面を展示します。

    舞楽面は平安時代以降盛んになった舞楽で用いられた仮面です。中国、朝鮮、ベトナム等から伝来した音楽、舞踊が宮廷でまとめられた舞楽は、洗練された荘重な動きが特色です。

    行道面は神輿(みこし)を囲んで練り歩く神々や、阿弥陀如来に伴って二十五菩薩が来迎する様子を演じる来迎会(らいごうえ)などに用いられた仮面です。来迎会は今も奈良の當麻寺(たいまでら)や東京都世田谷区の九品仏浄真寺(くほんぶつじょうしんじ)などで行なわれています。

    追儺面(ついなめん)は節分に行なわれる追儺会(ついなえ)で用いられました。「豆まき」の時に着ける鬼のお面です。

    多彩な表情、目、鼻、顎などが動く工夫、彫刻的な魅力に注目してご覧ください。

    法隆寺宝物館の伎楽面(ぎがくめん、4月13日まで公開)、本館9室 舞楽装束(4月22日~6月15日)もあわせてご覧ください。
    法隆寺宝物館 第3室 伎楽面

     

    担当研究員の一言

    自分ではない別の役になるための道具が仮面です。役の性格を面でどう表現したのか、造形の工夫をお楽しみ下さい。/浅見龍介、丸山士郎、川岸瀬里

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要文化財 舞楽面 崑崙八仙 平安時代・長久3年(1042) 奈良・手向山八幡宮蔵
重要文化財 舞楽面 貴徳 鎌倉時代・承元5年(1211) 愛知・真清田神社蔵
重要文化財 舞楽面 納曽利 平安時代・治承2年(1178) 愛知・熱田神宮蔵
行道面 多聞天 高野山天野社伝来 鎌倉時代・14世紀
重要文化財 行道面 菩薩 鎌倉時代・13~14世紀 石川・重蔵神社蔵