本館 特別1室
2014年2月4日(火) ~ 2014年2月14日(金)
弥生時代は水田稲作を食糧生産の基礎とした農耕社会で、金属器を使い作りはじめた時代です。朝鮮半島を経由して北部九州へ伝わった稲作は、その後近畿地方では神戸、大阪平野、奈良盆地へと広がっていったと考えられています。この特集陳列では、大阪府立弥生文化博物館からお借りした弥生時代を代表する大阪府船橋(ふなはし)遺跡と池上曽根(いけがみそね)遺跡出土資料を中心に、農耕社会が育んだ近畿地方の特色をご紹介いたします。
弥生時代前期には西日本では共通した特徴をもつ遠賀川(おんががわ)式土器が広がりますが、中期以降、土器だけではなく青銅器などについても地域ごとの特徴がいっそう顕著になってきます。その代表例が近畿地方では華麗にして繊細な印象を与える櫛描文(くしがきもん)土器や多彩な銅鐸です。展示ではその土器群ならびに近畿式銅鐸や大阪湾型銅戈(どうか)と呼ばれるこの地域固有の青銅器をご覧いただきます。また稲作とともに朝鮮半島から伝わった石庖丁(いしぼうちょう)や磨製石斧(ませいせきふ)、そして磨製石剣などの磨製石器、大阪湾沿岸地域に特徴的な蛸壺(たこつぼ)などの漁撈具を通し、当時の人びとの暮らしの様子を探ります。
さらに「龍」を描いたとされる絵画付土器や人・動物などが描かれた絵画銅鐸も展示し、当時の人びとの祈りや世界観にも迫ります。
なお、本特集陳列は平成25年度考古相互貸借事業として行うものです。
※特集陳列「弥生時代の近畿―華麗なる土器と青銅器の展開―」(本館 特別1室 2014年2月4日(火)~3月16日(日))は、大雪の影響で展示室の整備が必要となったため中止いたします。ご迷惑をおかけして、たいへん申し訳ありません。