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親と子のギャラリー「日本美術のつくり方IV」

  • 『七宝水仙釘隠 江戸時代・17~18世紀』の画像

    七宝水仙釘隠 江戸時代・17~18世紀

    本館 特別2室
    2013年7月17日(水) ~ 2013年8月25日(日)

    夏休み恒例の「親と子のギャラリー」。今回はシリーズ「日本美術のつくり方」第4弾として、4つの技法の工程を展示し、解説します。

    (1)料紙装飾(りょうしそうしょく)
    日本の書跡には、文字を書く紙(料紙)に美しい文様の装飾をほどこし、それが墨で書かれた字と、みごとに調和している作品があります。
    金銀の箔(はく)や粉(ふん)を用いた切箔(きりはく)や砂子(すなご)などの装飾技法についてご紹介します。


    法華経(久能寺経)には、金銀の切箔(きりはく)や砂子(すなご)などの装飾が、ふんだんに使われています。

    (2)七宝(しっぽう)
    「七宝」は、ガラス質の釉薬(ゆうやく・うわぐすり)を、銅などの金属の表面にぬり、それを窯(かま)の中で焼いて、色を付ける技法。
    文字通り7つの宝のように、あざやかな色たちが、光り輝いています。ここでは、色と色の境い目を線で区切る、有線七宝(ゆうせんしっぽう)の工程をご紹介します。


    金属の線を、もように沿ってはり付け、間にガラス釉を詰めて焼くことをくりかえします。これは第1回目の「焼き」を終えたもの。

    (3)人形(にんぎょう)
    おひなさまや、五月人形の金太郎など、みなさんも人形を一度は見たことがあるでしょう。きれいな顔、かわいい顔、勇ましい顔。いろんな表情があります。ここでは、木で形を作り、顔に整えていく工程を紹介します。顔ひとつにも、これだけの手間がかかっているんです。


    木を彫刻し、人形の頭と顔の形をつくったのち、胡粉(ごふん)をぬり重ねて、表面を仕上げていきます。

    (4)銅鏡(どうきょう)
    むかしは鏡といえば、銅で作られていました。銅鏡の表をぴかぴかに磨いて映したのです。古い銅鏡は丸い形がもっとも多く、その裏にはさまざまな文様が表されました。どのようにして丸い形をつくったのでしょう?そして文様は、どのようにして表したのでしょう?


    鋳型(いがた)から取り出された中身。銅を流した道や、はみ出した部分(バリ)がまだ付いている状態。

     

    担当研究員の一言

    今年もやります「つくり方」シリーズ。つくり方を知れば、見方が変わる、見方がわかる!/伊藤信二

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要文化財 法華経 無量義経徳行品(久能寺経) 平安時代・12世紀
七宝山水楼閣文香炉 並河靖之作 大正元年(1912) 並河靖之氏寄贈
撫子散双鳥鏡 岡山県備前市出土 平安時代・12世紀
五月人形 鍾馗 大正15年(1926)~昭和4年(1929) 峯島茂兵衛氏寄贈

関連事業

<ギャラリートーク>   日本美術の作り方Ⅳ
本館 特別2室  2013年8月6日(火)   14:00 ~ 14:30   当日受付