平成館 企画展示室
2012年12月4日(火) ~ 2013年3月3日(日)
本特集陳列は平成24年度文化庁考古資料相互活用促進事業(考古資料相互貸借事業)の一環として、宮崎県立西都原考古博物館蔵資料と当館所蔵の宮崎県・鹿児島県内出土資料で構成し、特色ある南九州地方の古墳文化を紹介致します。
九州の古墳文化は古墳時代前期(3~4世紀)に、北部瀬戸内沿岸部に畿内型の古墳が出現し、南九州地方でも中期(5世紀)に宮崎県西都原古墳群などの高い水準の古墳文化が成立したことが早くから知られていました。しかし、古墳文化発祥の畿内地方から遠隔地であることや、主に宮崎県の地下式横穴墓と鹿児島県の板石積石棺墓(いたいしづみせっかんぼ)などの特異な墓制の存在から、その特殊性も強調されてきました。
ところが近年、宮崎県・鹿児島県の地元自治体・大学の調査研究によって、南九州地方にもいち早く前期に古墳文化の定着が確認され、前期から中期には九州最大の前方後円墳が次々と築かれると共に、大規模な古墳群と地下式横穴墓の一体的な関係も解明されつつあります。
日本古代国家形成期の古墳時代において、このような地域的独自性の高い古墳文化の位置づけは今後の課題ですが、本特集陳列がそのきっかけになれば幸いです。
考古資料相互貸借事業は、国立博物館所蔵の考古資料を地元の地方博物館所蔵品と交換・展示して、相互に広く公開する目的で平成10年度に始まり15年目を迎えました。今年度は、ほかに北九州市立自然史・歴史博物館と実施しています※。
※特集陳列「北九州の青銅器文化」
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