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「国宝 大神社展」

  • 『吉野御子守神像(部分) 南北朝時代・14世紀 個人蔵』の画像

    吉野御子守神像(部分) 南北朝時代・14世紀 個人蔵

    平成館 特別展示室
    2013年4月9日(火) ~ 2013年6月2日(日)

    日本人は古来、自然のなかに人知を超えたものを感じ、山、岩、木など自然物の中に神を見出し、畏れ敬ってきました。やがて神々を祀る神社が建てられ、祭神の調度品である神宝や、祭神の姿をあらわした神像などがつくられました。神社は、神聖な場所として尊崇され、神像や宝物が大切に守り伝えられてきました。 この展覧会は、伊勢神宮の第62回式年遷宮を機に、神社本庁をはじめ、日本全国の神社の全面的な協力を得て、神社の宝物や日本の神々に関する文化財を総合的にご覧いただく、貴重な機会となります。

    ※会期中、展示替があります。展示作品リストをご覧ください。
    前期:4月9日(火)~5月6日(月・休)
    後期:5月8日(水)~6月2日(日)

     国宝「七支刀」(古墳時代・4世紀 奈良・石上神宮蔵)は、5月6日(月・休)までの展示予定でしたが、所蔵先からのご厚意により、展示期間が5日間延長され、5月12日(日)までとなりました。

1089ブログ「2013年度の特別展」 展覧会の見どころなどを紹介しています。

ユリノキひろば「私の大神社展」 展覧会の感動やお気に入りの作品、神社にまつわるエピソードなど、エッセイをお寄せください。

東京国立博物館 資料館 特別展「国宝 大神社展」関連図書コーナー設置

開催概要

会  期 2013年4月9日(火) ~ 2013年6月2日(日)
会  場 東京国立博物館 平成館(上野公園)
開館時間 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、会期中の金曜日は20:00まで、土・日・祝・休日は18:00まで開館)
休館日 月曜日
(ただし4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)は開館、5月7日(火)は休館)
観覧料金 一般1500円(1300円/1200円)、大学生1200円(1000円/900円)、高校生900円(700円/600円)
中学生以下無料
( )内は前売り/20名以上の団体料金
障がい者とその介護者一名は無料です。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。
前売券は、東京国立博物館 正門チケット売場(窓口、開館日のみ、閉館の30分前まで)、のほか、チケットぴあ(Pコード=765-441)、ローソンチケット(Lコード=33777)、セブンチケット(セブンコード=020-057)、イープラス、ファミリーマートほか主要プレイガイド、および展覧会公式ホームページにて、2012年12月3日(月)~2013年4月8日(月)まで販売。前売券の販売は終了しました。
お得な早割ペア券(2枚1組セットで2000円)を、東京国立博物館 正門チケット売場(窓口、開館日のみ、閉館の30分前まで)、のほか、チケットぴあ(Pコード=早割ぺア:765-442)、主要プレイガイドにて、2012年12月3日(月)~2013年3月10日(日)までの期間限定で販売。早割ペア券の販売は終了しました。
「東京・ミュージアムぐるっとパス」で、当日券一般1500円を1400円(100円割引)でお求めいただけます。正門チケット売場(窓口)にてお申し出ください。
東京国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生の方は、当日券を1000円(200円割引)でお求めいただけます。正門チケット売場(窓口)にて、キャンパスメンバーズ会員の学生であることを申し出、学生証をご提示下さい。
「国宝 大神社展」会期終了後の2013年6月4日(火)~6月23日(日)まで、本特別展半券を当館正門総合文化展チケット売場にてご提示いただければ、当館総合文化展を半額の割引料金でご覧いただけます。
交  通 JR上野駅公園口・鶯谷駅より徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分
主  催 東京国立博物館、NHK、NHKプロモーション
特別協力 神社本庁
協  力 千年の森フォーラム
協  賛 あいおいニッセイ同和損保、大日本印刷、トヨタ自動車 、三菱商事
カタログ・音声ガイド 展覧会カタログ(2300円)は、平成館2階会場内、および本館1階ミュージアムショップにて販売しています。音声ガイド(日本語のみ)は500円でご利用いただけます。
お問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
展覧会ホームページ http://daijinja.jp/
展覧会公式サイトは会期終了時をもって終了いたしました。

巡回予定

九州国立博物館 2014年1月15日(水)~3月9日(日)

関連事業

平成館 大講堂  2013年4月27日(土)   13:30 ~ 15:00   受付終了
平成館 大講堂  2013年5月11日(土)   13:30 ~ 15:00   受付終了
<講演会・講座>   特別講演会「神々のまつり」
平成館 大講堂  2013年5月17日(金)   13:30 ~ 15:00   受付終了

ジュニアガイド

「国宝 大神社展」の鑑賞の手引きとして、ジュニアガイドを制作しました。PDFをダウンロードし、プリントアウトしてご活用ください。
 ジュニアガイドのページへ

ブロガー50名様を内覧会に特別ご招待

2013年4月23日(火)18:00より、神社、歴史、アート、博物館・美術館巡りに関心をおもちのブロガーの皆様の中から抽選で50名様をお招きし、「ブロガー内覧会」を開催します。詳細は展覧会ホームページの実施概要をご覧ください。
募集は締め切りました。
(2013.4.22)

「障がいのある方のための特別鑑賞会」(2013年5月25日(土)開催)のお知らせ

2013年5月25日(土)18:00より、三菱商事株式会社との共催により「障がいのある方のための特別鑑賞会」を開催します。応募方法及び詳細は三菱商事「障がいのある方のための特別鑑賞会」のご案内をご覧ください。
募集は締め切りました。
(2013.5.17)

展覧会のみどころ


第一章 古神宝
第二章 祀りのはじまり
第三章 神社の風景
第四章 祭りのにぎわい
第五章 伝世の名品
第六章 神々の姿

 

第一章 古神宝

神社の社殿が造られ、神々が祀られるようになると、殿内に人が住んでいるのと同じように、祭神の装束や身の回りの調度、武具が用意されました。各地の神社に古くから伝わるこれらの服飾・調度・武具類を古神宝といいます。古神宝の形式や装飾は、かつての王朝貴族が用いたものに倣い、錦や綾、蒔絵螺鈿といった工芸技術を駆使した優美華麗なものが制作されました。そのため、これら古神宝は、王朝貴族の暮らしや美意識を伝えているといえます。古神宝には奉納の経緯が明らかなものも多く、歴史的にも貴重です。

 

国宝 表着 白地小葵鳳凰模様二陪織物(うわぎ しろじこあおいほうおうもようふたえおりもの)
鎌倉時代・13世紀 神奈川・鶴岡八幡宮蔵
[展示期間:2013年4月9日(火)~5月6日(月・休)]

鎌倉の地で、源氏の氏神として尊崇されてきた鶴岡八幡宮に伝わった表着。表着とは、かつて宮廷女官たちが着用した装束です。小葵という地文様を背景として、多色の鳳凰が飛翔する姿が織り出されます。女房装束の貴重な遺品です。
   表着 白地小葵鳳凰模様二陪織

 

 橘蒔絵手箱および内容品   国宝 橘蒔絵手箱および内容品(たちばなまきえてばこ)
南北朝時代・明徳元年(1390)
和歌山・熊野速玉大社蔵
[展示期間:2013年4月9日(火)~5月6日(月・休)]

熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)の十二柱の神々に奉納された手箱のうちの一つです。梨子地に高蒔絵で橘の樹を、花や実を螺鈿であらわしています。中に納めた鏡や鏡箱、櫛、鋏などの化粧道具がほぼすべて伝わっています。

 

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第二章 祀りのはじまり

日本には仏教伝来以前から、日本独特の自然や精霊を崇拝する神道の原形ともいわれる原始宗教が存在したと考えられています。人々は山や岩、海や川、さらには森や草木にさえも神を見出し、畏れ敬ってきました。
本章では、特に山の神と海の神に注目し、その祀りのはじまりを奈良・山ノ神遺跡と福岡・沖ノ島祭祀遺跡から発見された様々な資料から考えるとともに、神に捧げられた遺物の美にも迫ります。また、『古事記』『日本書紀』『延喜式神名帳』などの文献資料をもとに、神社で祭神が祀られはじめた頃の様子を紹介します。

 

国宝 方格規矩鏡ほうかくきくきょう
古墳時代・4~5世紀 福岡・宗像大社蔵

鈕(ちゅう)の周りを方形の文様が囲み、その四方には定規とコンパスをあらわすT・L・Vの文様が配されています。本来あるべき玄武・朱雀・青龍・白虎の四神の姿は独特な渦文に変化しています。沖ノ島遺跡からはこうした精緻な銅鏡が多数発見されています。

   方格規矩鏡

 

国宝 金銅製雛機(こんどうせいひなばた)
奈良~平安時代・8~9世紀 福岡・宗像大社蔵

細部にわたり精巧に作られた織機のミニチュア。型式的には「地機」を模したものです。織機が神への捧げものとして重要な意味をもっていたことがうかがわれます。同様の機織は伊勢神宮にも伝えられています。
   金銅製雛機

 

日本書紀   重要文化財 日本書紀 巻第一上 神代上
南北朝時代・永和3年(1377)
愛知・熱田神宮蔵
[展示期間:2013年5月8日(水)~6月2日(日)]

養老4年(720)に舎人親王らによって完成された歴史書。わが国に伝存する最古の正史で、神代から持統天皇の時代までを漢文により、編年体で記されています。京都の浄阿が熱田神宮に寄進した写本です。

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第三章 神社の風景

神道の原形は、山などの自然物を信仰の対象とした原始的宗教にあります。そのため、神体となる山やその周囲を含んだ神域の風景に重点を置いた絵画表現が行われました。仏教美術ではあくまで仏・菩薩の像が主役となるのに対し、風景が主役となるのは神道美術(絵画)の一つの特徴ともいえます。
この章では、礼拝対象としての宮曼荼羅や、礼拝対象としてだけでなく布教にも用いられた参詣曼荼羅、神社の由緒を描いた絵巻の場面、領域を示すための絵図などを通して、神道特有の思想や、往時の実際の風景や風物をご覧いただきます。

 

 松崎天神縁起絵巻    
重要文化財 松崎天神縁起絵巻(まつざきてんじんえんぎえまき) 巻第六
鎌倉時代・応長元年(1311) 山口・防府天満宮蔵
[展示期間:2013年5月8日(水)~6月2日(日)]

防府天満宮(ほうふてんまんぐう)は、菅原道真が太宰府下向の途中滞在した地に創建された、最初の天満宮といわれます。全6巻のうち5巻までは、天神縁起の根本とされた「北野天神縁起絵巻」の内容を収め、最後の1巻に自社の創立縁起が描かれます。現地の景物に即した景観表現が注目されます。

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第四章 祭りのにぎわい

神や祖霊などを慰め、鎮め、奉仕して、その威力による加護を請い、平和や豊産を期待する、または感謝する行為が祭礼です。本来は地域の共同体や氏族集団などの命運に関る重要な行事でした。その過程では特別に用意された材料で調理された食事が供えられ、人々も相伴にあずかる神人共食が行われ、神楽や能、舞楽など様々な芸能が奉納されました。
本章では、そうした祭礼の賑わいを伝える祭礼図屏風や、神前での能や舞楽に用いられた装束などをご覧いただきます。

 

重要文化財 狩衣 紺地白鷺葦模様(かりぎぬ こんじしろさぎあしもよう)
安土桃山時代・16世紀 岐阜(本巣市)・春日神社蔵
[展示期間:2013年5月8日(水)~6月2日(日)]

岐阜県内の神社には室町~安土桃山時代の能装束が数多く遺されており、中世に神事能が盛んに行われたことをうかがわせます。本巣市・春日神社に伝存する狩衣は、舶来織物ではなく日本中世特有の「渡し繍(ぬい)」によって美しい白鷺の文様を表わした他に類例をみない狩衣です。
   狩衣 紺地白鷺葦模様

 

 豊国祭礼図屏風    
重要文化財 豊国祭礼図屏風(ほうこくさいれいずびょうぶ)(画像は左隻)
狩野内膳筆 江戸時代・17世紀 京都・豊国神社蔵
[展示期間:2013年5月8日(水)~6月2日(日)]

慶長9年(1604)の8月、豊臣秀吉の7回忌に行われた盛大な祭礼を描いた屏風です。右隻には豊国神社(とよくにじんじゃ)を中心にして、奉納能の様子や馬揃えといわれる行 列の様子が、左隻には方広寺を中心にして、風流踊りの様子が描かれています。活気に満ちた祭礼の様子が画面から溢れてくるようです。

 

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第五章 伝世の名品

神社には古神宝のほかにも、たくさんの宝物が伝えられてきました。なかには古くから伝来し尊ばれてきたものや、祈願や感謝の意をこめて奉納されたもの、祭礼や行事に用いられたものなどがあります。鹿島神宮に霊剣として伝来した黒漆平文大刀、平清盛が平家一門の繁栄を願って厳島神社に奉納した平家納経、大内盛見が防府天満宮の神事の随兵の鎧として寄進した浅葱糸妻取威鎧をはじめ、神社に伝わった鏡や調度、刀剣、甲冑、馬具、絵画のなかから優品を展示します。

 

七支刀   国宝 七支刀(しちしとう)
古墳時代・4世紀 奈良・石上神宮蔵
[展示期間:2013年4月9日(火)~5月6日(月・休)]
展示期間延長:5月12日(日)まで

石上神宮(いそのかみじんぐう)に神宝として伝世した鉄剣。剣身の左右に六つの枝刃をもつ特異な姿で、剣身の両面に61文字の銘文が金象嵌で刻まれています。中国東晋の太和4年(369)に制作され、百済王から倭王に贈られたものと考えられています。

 

国宝 白糸妻取威鎧(しらいとつまどりおどしのよろい)
南北朝時代・14世紀 青森・櫛引八幡宮蔵
[展示期間:2013年5月8日(水)~6月2日(日)]

全体を白糸で威し、袖や腰などの端に紅・萌黄・紫などの色糸を用いた妻取威の鎧で、唯一胴、兜、袖が完存しています。南部光経が応永18年(1411)に櫛引八幡宮(くしひきはちまんぐう)に奉納しました。
   白糸妻取威鎧

 

 海獣葡萄鏡   国宝 海獣葡萄鏡(かいじゅうぶどうきょう)
唐または奈良時代・8世紀 千葉・香取神宮蔵

唐から舶載された形式の白銅製の鏡。獣をかたどった鈕を中心に、葡萄唐草文の地文に、獅子・馬・鹿・麒麟・鳳凰・蜂・蟷螂などが配されています。同形の鏡が正倉院に伝わっていることも注目されます。

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第六章 神々の姿

神像がつくられ始めたのは8世紀のことですが、現存しているのは9世紀以降のものです。松尾大社の神像はその最初期の作品で、厳しく威厳のある表情、冠と袍を着ける姿は男神像の典型的表現となります。そして9世紀末になると、脚部の奥行きがない神像独特の表現が確立します。この頃の女神像は豊満さと厳しさが見られますが、平安後期になると宮廷女性を思わせる優雅な作品が造られます。また、神像には子供の姿が表されるのも特徴です。
この章では、国宝・重要文化財の優品、初公開の注目作品など、かつてない規模と質で神像の多様な表情と姿をご紹介し、その魅力に迫ります。

 

国宝 家津美御子大神坐像(けつみみこのおおかみざぞう)
平安時代・9~10世紀
和歌山・熊野速玉大社蔵

熊野速玉大社に伝わる4体の国宝神像のうちの1体です。御子の名前のとおり最も若い像です。神像は仏像の表現を取り入れて成立しますが、9世紀末頃になる と、膝の奥行きを狭くし、衣の襞(ひだ)を単純化する神像独特の表現が生まれました。この像はその頃の作品です。
   家津美御子大神坐像

 

 男神坐像・女神坐像・男神坐像
重要文化財 男神坐像・女神坐像・男神坐像
平安時代・9世紀 京都・松尾大社蔵

現存する神像のうち最初期の作品です。男神は貴族の装束を着けます。老年像の厳しく威厳のある姿は、神像のイメージとして後世まで引き継がれました。壮年像は充実した表情で堂々としています。女神像は色白の美しさの中にも厳しさがあります。

 

吉野御子守神像   吉野御子守神像(よしのみこもりしんぞう)
南北朝時代・14世紀 個人蔵

女房の装束が美しい和装の女神像の代表作で、特に正面観で描かれる吉野御子守神像は、礼拝像に相応しい形式と威厳を備えた現存稀な女神の画像です。

 

 重要文化財 春日神鹿御正体(かすがしんろくみしょうたい)
南北朝時代・14世紀 京都・細見美術館蔵

春日大社の使いである鹿をかたどった金銅製の作品です。白雲の上に立ち、鞍に立てた榊には春日の本地仏5体が線刻されています。春日大社の祭神である武甕槌命(たけみかづちのみこと)が、常陸国鹿島から春日の地へ移座したときの様子を表しています。同じ構図の絵画作品も出品されます。
  春日神鹿御正体

 

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