本館 14室
2012年3月6日(火) ~ 2012年5月13日(日)
お酒をめぐる文化史を紐解いていくと、古くは神への儀礼的なものとして位置づけられ、祝いの席には欠かせないものとなり、やがて今日のような日常習慣における愉しみの一つとなっていきました。酒器には、徳利(とくり)、銚子(ちょうし)、盃(はい)、猪口(ちょく)、酒呑(ぐいのみ)などの種類があり、それらは用いられる場面や場所、好みなどに応じて創意工夫され、多様な意匠を生み出してきました。そうしたそれぞれの酒器がもつ形のユニークさや色づかい、華やかさもしくは侘びといった趣は、酒宴の席に彩を加え、お酒の味とともに酒席の人々の目をも楽しませるものといえるでしょう。
この特集では、お花見の季節に合わせて当館が所蔵する近世以降の陶磁の酒器を中心に展示します。多様性に富んだ酒器の意匠を目で味わいながら鑑賞していただきたいと思います。